「おじぃ～なんかいい匂いする～」と、尋ねた私に、「月下美人の香りだね。この花が咲いているかどうかは、見なくてもわかるさ～。…おばぁの好きな花なんだよ。」と教えてくれたのは、夏休み最後のお祭りからの帰り道だった。

その時は花を見る事は出来なかったが、温かい祖父の手にひかれながら、あたり一面に立ち込める甘い香りに何度も深呼吸をしては、大人になったらこんな香りが似合う人になりたいな～と漠然と考えていた。

迎えに来てくれた祖母の車の中で、「さっき、すごくいい匂いがしたんだよ～！」と興奮して話す私に、「おばぁも月下美人の花、すきさ～。とってもいい香りがするでしょう？」とにこにこ嬉しそうに答えてくれた祖母の声に勢い良く頷く。

「おばぁ～が娘時代の時は、朝早くから働きに出て、夜帰ってから家族のご飯を作ったりしてたわけさ。一日の終わりには、必ず汚れた食器と洋服をもって、地域の水場に行って洗い物をするんだけど、今みたいに街灯もないから、月の光を頼りに洗い物をしてるわけ。そうすると、どこからかいい香りがしてきてね。…なんだかその香りにとても励まされた気がしたさ。」と、話してくれた祖母の横顔が、私の知らない人に感じ、なぜだかとてもドキドキした。

大人になって初めて見た『 月下美人 』の花は、静かな夜に凛と佇んでいた。
白い大きな花びらがまるでウエディングドレスのようだなと思いながら、甘い、ほんのりジャスミンのようにも感じる香りに浸っていると、ふいにあの夜の祖父の手の温かさと、祖母の横顔を思い出す。

きっとまだまだ私の知らない苦労が二人にはたくさんあったのだろう。けれど、それを感じさせない強さと優しさをもった祖父母の姿が、夜の静けさの中で誰に見られずとも凛と咲く姿に重なった気がした。

首里石鹸　中里ゆきこ

スキンオードパルファム　Tingara てぃんがーら に込めた想い

「天の川」を指す美しい響きの言葉。まるで星が降ってくるような満天の星空に、 揺蕩（たゆた）うように横たわる天の川を眺めながら家族や恋人と語らう。 それは今も昔も変わらないだろう。そして、星の光に照らされた海や砂浜は神秘的に輝きを増し、人々の心を穏やかにしてくれる。

『 月下美人 』の花言葉と香り
月下美人の花言葉「秘めた情熱」「ただ一度だけ会いたくて」「はかない美」。この花の香りと在り方は、その対象物を魅力的に、そして凛とした美しさを映す。 使う人の魅力を引き出させる甘く上品な香り。それが首里石鹸の てぃんがーら （月下美人の香り）です。

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