先日、梅雨明けした。
平年より4日遅い梅雨明けだそうだ。
梅雨明け前日に、知人のビーチパーティにお呼ばれしたので息子を連れて少しだけ顔を出すことにした。
誘いを受けたときは(梅雨ど真ん中やーん)と思ったけれど、その日はすっかり晴れていて、主催者の男性に「さすがハレ男は違いますね」などとおどけながら、ノンアルコールチューハイで乾杯した。
久しぶりのビーチはとても健やかで、梅雨なんて現象はこのエリアにはまったく関係ありませんでしたよ、と言っているような毅然とした態度で出迎えてくれる。
2年前の私は、ビーチパーティーがあるたびに毎回べろべろに酔っ払い、はしゃぎ、二次会三次会にはもちろん前のめりで参加して、翌日は日焼けと二日酔いのW頭痛にもがき苦しんでいた。
だけど今回は違う。
2年ぶりのビーチパーティーで、私はノンアルコールチューハイを飲み、息子を砂場で遊ばせ、手もしくは視線を息子にロックしたまま少しの会話を楽しんだ。
砂に飽きた息子がぐずり始めたので、抱き上げて海で足を洗い、そのままメンバーに別れを告げて早々に車に乗り込んだ。
私は子どもができる前、そういう暮らしはつまらないと思っていた。そういう暮らしをすることに怯えていた。
だけど、いざそういう暮らしをしてみると、実はそんなに悪くなかった。
すこしだけ楽しくて、息子に新しい景色を見せてあげられて、まわりの人たちに息子をかわいいと言ってもらえて、記憶を保持したまま帰路につくというのは物足りないけどささやかに幸せだ。
帰り道、信号待ちをしていると、スカッと空がきれいで、雲すらなんだか美しく、なにもかもに「ほどほどでいいな」と思った。
息子はチャイルドシートで重力に頭を揺さぶられながら、ぐーすかと眠っている。私は口角をゆるませながら、ハンドルを握りなおした。
ライター
三好優実