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首里散歩 Vol.55 わたしの守り神 2020年8月19日

沖縄の観光地、住宅、あらゆるところで見かけるシーサー。
シーサーは、沖縄の方言で「獅子」という意味で、
人々の身を守る、守り神です。

沖縄県民にとっては、小さいころからよく目にしていて、
当たり前のように身近にいるシーサー。

その中でも大きなシーサーを見ると、ある一枚の写真が
わたしの頭の中に浮かびます。

それは、父と兄とわたしの三人が、シーサーの前に並んで写っている写真です。
そこでの思い出は今でも鮮明に覚えているんです。

おばあちゃんのお隣さんのお家。
段の上に座っている大きな立派なシーサー。
まだ小さなわたしは、そのわずかな段の隙間にちょこんと座り、
父と兄とお喋りをします。

そこで負けず嫌いなわたしは「じゃんけんしよう!!」と、
なにかと勝負をしたがります。

わたしと父、わたしと兄、代わりばんこで何回もじゃんけんをします。
でも、何度やってもわたしばかり負けてしまう。
父と兄は大笑い。
どうやら、わたしの出す手がゆっくりなので、 なにを出してくるのか、わかっていたようです。
わたしは案の定、怒りながら泣いたのを覚えています。

なんとも鈍くさい話ですが、
今では自分でもおかしくてフフッと笑ってしまいます。

わたしが産まれたころから、ずっと見守ってくれていると思うと感慨深い。

今はなかなか会いに行くことが難しいのですが、
おばあちゃんのお家に行くときには、あの思い出のシーサーに
心の中で声を掛けてみようと思います。

ライター
首里石鹸 玉城悠以奈