Blog

首里散歩 Vol.231 子連れホテル泊の夜

先月から楽しみにしていた予定がある。
同い年の子どもをもつ友だちとのホテル泊だ。

小さい子どもがいるとどうしても気軽に旅はできないけれど、沖縄には旅相当の開放感があるホテルがたくさんある。その日、思いつく限りの条件を完璧に満たしたホテルを見つけ、旅する気持ちでホテルに入った。

到着した瞬間から、自分たちのための場所!みたいなテンションで徘徊しはじめる子どもたち。

大きな窓から見えるシティビューを眺めたり、子ども同士絡んだり絡まなかったり、泣いたり笑ったり。

自由にのびのびと過ごす様子を見守る時間はあたたかい。

「めちゃくちゃ遊んでるから、夜は早く寝てくれそうだね〜」と友だちとの時間を楽しみにしていたけれど、予想ははずれた。

夜、夜景の煌びやかさに、1歳児ふたりのテンションは爆上がりしたのである。

「まぁ今日くらいいいよね」と遊ばせることにしたけれど、これがもう全然寝ない。

気付けば22時までキャッキャと楽しそうにはしゃぐので友だちとふたりで寝たふりを決め込み、あやうくふたりとも本当に寝てしまうところだった。

なんとか睡魔に勝ち、子どもの寝かしつけに成功した後は、この時間を待ってました!とばかりにお喋りタイム。

ふたりにしか届かないほどのひっそりとした声で、お互いの苦労話や育児あるある、愚痴や生々しい人生設計などを話していたら、だんだんおもしろくなってくる。お酒も飲まず、飲み屋2軒目レベルに濃い話をしているのだ。そのおもしろさにだんだん我慢ができなくなり、最後は声を押し殺しながらふたりでクックッと変な息遣いで笑った。

子どもがいなければお酒をガブガブ飲んでゲラゲラ笑っていただろう友だちと、声を押し殺して変な声で笑い合っている。

子どもという存在が人生のステージを大きく変え、そのタイミングがたまたま同じというだけでふたりの友情までレベルアップしたような気がするから不思議だ。私たちは「うちら大人になったよね」と、また笑い合った。

もう少しで授乳が終わる。長かった禁酒生活とおさらばできる日は近い。

そのことを少し寂しく思いつつ、一足先にお酒を解禁した戦友の「早く乾杯したいね」の一言に、心踊っていることもたしかなのである。

ライター
三好優実