今年の年明けは、久しぶりの高熱にうなされている間に過ぎて行った。携帯に届くスマート通知の履歴を見ては驚きと心配が募り、本当に何気ない日常は幸せで、当たり前でないことを感じる。
そんな中、何かとやるべきことに追われて忙しかった昨年を振り返ると、意外にも実りが多い一年だったことに気がついた。
大学の科学実験のイベントで、わかりやすい説明を受けて、自然と浮かぶ質問で、さらに深い学びがあり、日常に楽しいことが溢れていることに気づいたり。
写真:割れない配分の大きなシャボン玉で、生き物のように表情豊かに、空に高く上がって行った。
OBとして参加している小学校の読み聞かせで、憧れだった影絵のイベントのお手伝いをしたり。
息子の通っている科学教室では、物事全てに科学が関わっていることや、苦手だったはずの虫の生態や特徴や進化を教わるにつれて、怖さが消えていき、いつの間にか、とても気になる対象になっていたことは、親子でよく話す驚きとなった。
写真:昔の私では信じられないほど、興味深く写真を撮った虫達。
そのどの場面でも、先導してくれる素敵な人たちに恵まれて、自らの意思で、心地よく、自分の当たり前の殻からスッと抜き出たことに、心から感動を覚えた。
関わった大人の私がそんな風に感じるだけあって、間近の子ども達の目はさらにキラキラしていた。
遠い記憶を辿ると、一昨年までは、不器用ながら、自分で、新しい感覚になれるような場を作り上げようとしていたので、まさに自分の理想がその素敵な人たちなんだとわかり、感動も新たに、とても興味深く感じた。
余分なところは少しもなく、それなのに簡潔すぎず、専門知識は抑えてあり、楽しさのひだがたくさん用意されていて、参加したい人はどこからでも参加できる自由度があり、優しさに満ち溢れている。
まるで龍が登っているように見えた年末の雲を思い出しながら、何気ない幸せな日常を、さらに輝かせるもう一押し、そんな素敵な目標を掲げて、一生のうちに二度と来ない今年を、力強く進んでいきたいと思う。
ライター
首里石鹸 白鳥恵子