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首里散歩 Vol.245 たのしい寝坊

目覚ましが苦手なので、朝は定刻になるとアレクサから素敵な音楽が流れるよう設定している。

が、その日は調子が悪かったのか、音楽がならなかった。見事、全員寝坊。

いちばん最初に起きたのは1歳の息子。
昨晩の夜泣きなんてなかったかのように、笑顔でわたしの顔をバンバン叩きはじめる。

素敵な音楽で目覚めることにすっかり慣れていたわたしは、時間を気にすることなく必死で息子を寝かしつける。たのむ、寝てくれ。あと数分で起きる時間なのかもしれないが、あと数分寝たい。そんな気もちだった。

が、息子は寝ない。しぶとい。うーん、一度起きるか…と思い時計を見ると、8時45分。8時45分?!?!保育園の登園は9時までだ。遅刻!!

飛び起きて夫を起こす。息子にバナナと食パンを渡し、食べてもらっている間に慌ただしく支度をした。一秒の遅れも判断ミスも許されない。我が家に緊迫した時間が流れた。

その様子がおかしかったのか、息子が突然パンをかじりながらケラケラと笑いだした。それを見て、わたしも思わず吹き出してしまう。夫も顔がゆるんでいる。「寝坊してたのしいね」と声をかけると、両腕を持ち上げ「キャー」と笑う。かわいいなぁ、もう。

「も~!行くよ!」と半すっぴんのまま息子を抱き上げ、マンションの階段を駆け下りる。

寝坊したのに、遅刻なのに、なぜだか気分は軽やかだった。(保育士さんには大変申し訳ないけど…)

だけど、うわぁ、やっちゃった!ごめんなさい!って思っているとき、笑い飛ばしてくれる存在がいるって、でかい。とても、でかい。

その存在の愛しさを噛みしめながら、わたしも息子を見習おう、何事も笑い飛ばしながら生きていこうと誓った。人生は笑うためにあるのだから。

ライター
三好優実