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晴れ時々、首里 Vol.25 心のこもった美味しさ

以前、友人宅にひとり1品持ち寄りで集まる会があった。

なんとなく各々の趣味で買ってくるものの配分は決まっており、わたしはキンパ(韓国海苔巻き)を片手に伺ったのだが、すでに到着した友人たちが何やら盛り上がっている。

ダイニングテーブルに近づくと、そこには可愛い猫の焼き菓子が綺麗に並べられていた。

友人の話では、以前から気になっていたお店が、なんと友人と同じく保護猫ちゃんの支援活動をサポートしており、「この機会にぜひ!」と、購入したとのこと。

そのお店が今回取材させていただくことになった『焼き菓子のお店 MAM.MARL(マンマアル) 』さんだ。

何かのご縁があるんじゃ…と、はやる気持ちを抑えお店に伺うと、色々な種類の焼き菓子たちと、優しい笑顔の外間さやか(ほかま さやか)さんが迎え入れてくれた。

寒い日のココアのような、甘く温かで幸せな気持ちに浸りつつ、外間さんのお菓子作りに込めた想いやこだわりを聞かせていただきました。

写真:MAM.MARL(首里店)
写真:MAM.MARL(宜野湾店)

※1 以下「さやかさん」と称する。

あの「美味しい。」の一言が、今でも心に残っている。

さやかさん 最初にお菓子を作ったのは幼稚園のバレンタインでした。とても簡単なお菓子だったけど、「美味しい!」と言われたことが凄く嬉しくて…今でも印象に残っています(笑)。

そうお菓子作りのきっかけを話してくれたさやかさんは、高校を卒業後、製菓の専門学校に進んだ。卒業後の進路を考え、一度は飲食店に就職したが、母と祖母がカフェをオープンすることをきっかけにお店を辞め、母娘3世代で働き始めた。

飲食店時代の経験を活かし、カフェで料理の腕を振るっていたが、少しずつ「なにか違うな…。」という気持ちがふくらみはじめ、それからは仕事の合間を縫っては、自家製酵母パンやドーナツ、焼き菓子などに挑戦しはじめた。

試行錯誤する中で、自分が一番作りたいのは “焼き菓子”だと気づき、そこからはなるべく卵不使用か、ヴィーガン、グルテンフリーのお菓子を作りはじめた。

素材にこだわったのは、大切な人の美味しい「笑顔」がみたくて

さやかさん 甥っ子が卵アレルギーだったんです。
それまではお菓子作りには卵は必要不可欠だと思っていましたが、そのことをきっかけに、なるべく卵を使わずにお菓子を作れないかと考え始めました。

それと甥っ子がアレルギーだと知ってから、意外と卵アレルギーのお子さんが多い事にも気づいたんです。なので、私のできる範囲で、卵不使用か、ヴィーガン、グルテンフリー、それと同時に出来るだけ国産・沖縄県産の素材を使用してお菓子を作るようになりました。

そんな素材にこだわって作ったさやかさんの焼き菓子は、ちょうどいい甘さと“サクッほろ”っと口の中でほどける食感にやみつきになり、いつの間にか完食している事が多い。

「食感にもこだわっているんです。」の言葉の通り、サクほろっとほどけるクッキーや、しっとりしたスコーン、甘さ控えめでぺろりと食べちゃうケーキなど、「次はどれを食べてみようかな♪」と、食べた後にも関わらず、また食べたくなるのだ(笑)。

店名にのせた優しい願い

ふと、「店名はマ“ン”マールなのに、表記はM(MA“M”.MARL)なんですね。」と呟くと、

さやかさん オープン当初、祖母・母・私の3人の女性がやっていた事から、英語のMs.(ミス)Mrs.(ミセス)の頭文字をとって、Mが3つのMAM.MARLとしました。

今は、母と私に、首里店担当スタッフの仲間が加わり、3人でお店を切り盛りしています。日々感じる事ですが、私一人ではとてもじゃないけどお店は成り立ちません。なので、2人には心から感謝しています。

写真:左からのさやかさんのお母様・さやかさん・仲間さん
写真:仲間さんがデザインした猫の内祝い紙。
このほか、商品パッケージや包装紙なども仲間さんがデザインしている。

もう一つ、私たちの焼き菓子を食べたお客様が、“笑顔いっぱいのまあるく優しい心になりますように。”との願いを込めて、まんまーるという言葉を店名に決めたんです。

以前コロナが流行っていた時期に、県外のご友人にプレゼントすると購入してくれたお客様がいて、その時は単純に、MAM.MARL(マンマアル)の焼き菓子をプレゼントに選んで頂けて嬉しいな。と思っていたのですが、後日、「友人も子どもたちも久々に笑顔で美味しい!って食べました!と言われたよ!」と教えていただいた時に、店名に込めた想いが届いた気がして…。今も何かあると思い出しては「また頑張ろう!」と元気を頂いてますね(笑)。

私を支える大事な言葉。

さやかさん 私が大事にしている言葉に「大丈夫。なんとかなる。」という言葉があります。信じ続けて頑張ったからこそ、「いつかは出来たらいいな~…」と思っていた焼き菓子の専門店を出すことが出来ました。

もちろん、大変なこともありますが、お客様から「美味しかったよ~。」と、嬉しいお言葉をいただくたびに、心からやってきて良かったと思います。


いつか世代を超えて愛されるお店を作るのが夢だと話すさやかさん。

「子どもの頃から家族で良く食べていたよね!」

「やっぱり家族で集まるときはここの焼き菓子を思い出します!」と、話して頂けるよう、自分もおばあちゃんになるまで頑張りたい!と話す飾らない笑顔がとても輝いていました。

ぜひ皆様も、焼き菓子のお店 MAM.MARL(マンマアル)さんに足を運んで頂き、心のこもった美味しさを味わっていただけると嬉しいです。

首里石鹸 中里 ゆきこ

【焼き菓子のお店 MAM.MARL(マンマアル)】

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《首里店》
■DATA:〒903-0803 沖縄県那覇市首里平良町2丁目51
■営業時間:14:00~20:00 ※売り切れ次第終了となる場合もございます。
■お電話:080-6484-5710
■定休日:月・火・木・日曜日
■駐車場:1台 ※店舗裏に有るY.Tの看板が目印

《宜野湾店》
■DATA:〒901-2213 沖縄県宜野湾市志真志4丁目32−13
■営業時間:11:30~17:00 ※売り切れ次第終了となる場合もございます。
■お電話:080-6484-5710
■定休日:月・火・木・日曜日
■駐車場:4台 ※店舗前3台と、店舗右手の駐車場に1台

※カットケーキは週替わりで1種類販売しております。
ホールケーキは受取日の3日前までにご予約をお願いいたします。

~取材後記~

以前、妊娠している野良猫ちゃんを保護した経験から、MAM.MARL(マンマアル)での売上の一部を、保護猫活動の支援として寄付しているさやかさん。出来る範囲の支援をこれからも継続していきたいと話すさやかさんのお人柄に、さらに心惹かれました。ぜひYoutubeショートも合わせてご視聴いただけますと嬉しいです♪