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首里散歩 Vol.254 重なりのくれるもの

先日、ずっと楽しみにしていた切り絵の展示会に足を運んだ。

大自然の全てを崇拝する感覚や、時間の流れや、命の循環のイメージが、紙の空洞や重なりによってリアルに訴えてくる。

作品を観る…というよりも、紙の生み出した空間を感じて、その先に拡がる想像を楽しむ体験だった。
心の通い合った友達と、しばらくお互いのそんな時間を大事にしながら、ぽつりぽつりと思うことを伝え合い、ゆっくりと、時間をかけて楽しんだ。

お互い大切な命(息子たち)をこの地で育む中で、沖縄の環境や人のありがたさをまるで木魂(こだま)し合うように話しあい、最後は美味しいランチで締め括った。

帰宅後、お互いに想いを話しあえる友達ができたことの喜びや、今日観た素晴らしい作品たちへの想いを一通り話すと、母と息子がいつにない熱量で「行きたい」と言うので、また足を運んだ。

思えば沖縄では、親子3代で色々な景色や出来事を経験してきたことに気づく。

母の感じる色や空気や、息子の感じる光は、多く語らなくても、それぞれの表情や動きでなんとなく感じられた。友達と観るとはまた違った想いが、私の記憶の中に、重なって積み上がっていった。

最近、大量の文字を扱う仕事が多くて、少し疲れると、家の中で心の元気になるものを探しては、癒されて、また作業に戻るを繰り返している。

エネルギー切れを感じたら、補給が必要!

昔から、外に出るのは嫌いじゃないけれど、出かける時は、誰かとの交流を楽しみにしていることが多かった。
『人たらし。』という言葉があるけど、私の場合は『人たらされ。』で、その人の素敵なところに魅了されて、更にそんな喜びを感じられることが、一番の活力となっている。

最近は、子育ても落ち着いてきて、段々と一人の時間が多くなってきたけれど、SNSも含め、周りには、今まで以上に、心のチャンネルがあちこちで合った人達との交流が溢れかえっていることに気づく。

今日もまた、様々な魅力を受け取りながら、豊かな沖縄時間のページを重ねて過ごしている。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子