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首里散歩 Vol.272 グラスに込める。

先日、久しぶりに母と会った。
今年はお正月以来会っておらず、母も仕事で忙しくメッセージでのやりとりも少なかったけれど、ようやくお互い都合を合わせることが出来た。

母と会う時はだいたいランチに行くのだけれど、今回はいつもと違うことがしたいなぁと思ったわたしは、「琉球グラス作りに行かない?」と提案。
何か形に残るもので一日の思い出が出来ることがしたくなり、そんな時にたまたまテレビでグラス作り体験を見た。

母は「いいね!」と提案にのってくれた。

目的地に着き、受付場所へと向かい、入り口に飾られている琉球グラスの種類の見本を眺めながら、わたしからもう一つ提案をした。

「オカーのグラスをわたしが作って、わたしのをオカーが作って交換しようよ!」

お互いへのプレゼント感が増して良いのではと思い、このお出掛けが決まってからすぐに、こうしよう!と決めていた。

色は自分の好みのものをチョイスして、それをお互いで作ることにした。
わたしのものは青、母はコーラルピンクに。

説明を聞き、いざ琉球グラス作り体験!
失敗しないかと緊張したけど、職人さんたちが隣について丁寧に教えてくれるので安心。
「うまいね!」と褒めてもくれる。

小さい頃は、物作り体験に母と二人でたまに行ったなぁ。と思い出した。
何十年ぶりにこんな体験をしただろう。

仕上がったグラスは後日郵送とのことで、体験が終わった後は敷地内にあるレストランへランチに。

「飲み口を広げる工程が難しかったね!」
「オカーが作ったグラス、青の模様じゃなくて茶色ぽかったね?仕上がった時には青になってるのかな?」と、感想を話しながらもぐもぐ。

そしていつの間にか、いつもの女子トークになって、時間もあっという間に過ぎ、夕方帰宅ラッシュで混み出す前に帰ろうか。と家路に向かう。

数日後、わたしの家に届いた二つの琉球グラス。

良い出来栄え!

いろんな角度から見たり写真を撮ったりしていると、それぞれに個性が出ているのがわかる。
母の作ったわたし宛の青のグラスは飲み口が少し斜めになっていて、笑ってしまった。

でもそれも良い味。

お互いを想う、かけがえのない一日がこのグラスに詰まっている。

ライター
玉城 悠以奈