お寿司会なるものを開催している。
といってもただただ、寿司好きが集まって寿司を食べるだけの会だ。わたしはなんにでも「会」とつけて、定期的に集まりたい人間なのである。
会のルールはひとつ。
なるべくおいしそうなお店をチョイスし、おいしく食べること。
2回目となるその日は、ランチタイムでありながら、目の前でカウンター越しにお寿司を握ってくれる贅沢なお店を予約した。
板前さんがさっと握り、ふわりと目の前に出してくれたお寿司。その光沢と佇まいは見るからにおいしそうで、ひとつひとつが目の前に置かれるたびに見入ってしまう。会話とお寿司への興味を両立しようとしすぎて、挙動不審になる。
途中、会話が弾む勢いでうっかり愚痴をこぼしてしまった。だけど、まぐろの登場とともにハッとして、すぐにやめた。
こんなにもおいしそうなお寿司を前に、この話題はふさわしくないですね。そう言わざるを得ないお寿司、いや作品だった。静かに頷く同士の反応も心地よかった。
それからは終始明るくて楽しくて元気になる話ばかりが弾み、これこそがお寿司会、と思える鮮やかな時間となった。
元気になりたいなら、おいしいお寿司を食べて、それに見合う会話をすればいい。教訓めいた言葉が脳裏に浮かんだ。あまりに有意義で脳みそが変になったのかもしれない。
だけど夏の暑さが続く中、おいしさで頭を変にすることは大切なことである。元気になりたいなら、おいしいお寿司を食べて、それに見合う会話をすればいい。
ライター
三好優実