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首里散歩 Vol.285 ついに解禁

「久しぶりだろうから、行きたいところを予約していいよ」というメッセージが私のストッパーを解除した。

そう、数年ぶりに、お酒を解禁したのである。

長かった。本当に本当に、長かった…。

てっきりお産さえ終わればすぐに飲めると思っており、まさか産んだ後も数年飲めないなんて思ってもみなかった。何度も言いたい。本当に長かった….。

で、解禁と同時に一緒に飲む相手に選んだのは、友だちではなく仕事関係者。出掛ける際に夫に子を見てもらわねばならないので、仕事関係者の方が罪悪感が少なくてよいのである。

とはいえ、目上の人だから先方の都合にあわせてお店をチョイスしなきゃ、と思ったら冒頭のメッセージをもらったのでした。やさしい!

ということで、ずっと行きたかったお店へ。

ビールを一口飲み、ん~~~、おいしいっ!!と小さく叫ぶ。ぷは、と出た息はなんだか少ししゅわしゅわしている。たまらん。

沖縄と言えば、青い海と空…だけじゃない。私にとって沖縄といえばの代表はお酒だ。
明るく楽しくお酒が飲める県代表であり、楽しそうに酔っ払うおばあさんが頻繁に見られる稀有な県だとも思う。

私は沖縄のそういうところがたまらなく好きなのだ。年中暖かいから基本的にいつでもビールが進むし。

その日、私はどれだけ会話が弾もうと、一品一品食べるごとに会話を止めて「おいしい」と呟いた。どんな話をしていても「おいしい」が口からこぼれてしまうのが嬉しくてたまらない。

お酒と合わせることで120点になる種類の「おいしい」は、代用が利かないなと改めて思う。ノンアルコールビールを飲む気がしなかったのもそういうことだろう。本物に合わせるのは本物じゃないと。

あー、おいしい。どれだけ楽しい会話をしていても逃れられないおいしさが次々と運ばれてくる。なんて幸せなんだろう。家族に、人生に、目の前の最高な時間に感謝が止まらない。

翌日はきっちり二日酔いになったものの、満足した気もちだけは体中に充満していて気分がよかった。

おいしいものはしばらく必要ないなと思う。この満足があれば、しばらく私の心にいい連鎖を作ってくれる。減ってきたらまた、チャージしに出かけよう。

ライター 
三好優実