先日、はじめてタフティングの個展に行った。
前々から興味があり、何処かで体験ができないかな~と思って探していると、タイミングよく、Instagramでタフティング作家さんの個展のお知らせが流れてきた。
カラフルな「色使い」と、様々な「模様」で織り出された作品に心がときめき、「これは絶対に行かなきゃ!」と感じた。
個展が開かれているお店に入ると、壁にも床にも様々な「色」「模様」の作品が並んでいる。個展期間中に売れてしまったという作品もあるそうだが、それでも夢中になって眺めた。
作品を眺めながら、ふと、どこか懐かしさを感じていることに気づいた。この感情はどこからくるのだろう…と考えていると思い出した!それは、子どものころに貰った海外土産の塗り絵と対峙した時の懐かしさだった。
誰にもらったかは忘れてしまったが、細かい絵柄にカラフルな見本絵、めくるたび心ときめく図案の数々に、「わぁ!」と声が漏れた。母に買ってもらった色鉛筆を棚から取り出し、早速夢中で色を塗っていく。
色が重なり、だいぶはみだし、たまに間違えて、でも、それもいい感じだなと思いながら、塗らなくていいところも塗る。
きっと、お世辞にも上手とは言えない出来だったが、心ときめく絵に、自分の好きなように、満足するまで色を重ねるという高揚感がいつまでも忘れられず、結局、母に𠮟られるまで夢中で塗り続けた。
そんな子どもの頃の、胸の中なのか目の奥なのか、あのパチパチと線香花火のようなものが弾けて、夢中で没頭する感覚を久しぶりに思い出し、さらに、制作者の方の「自分の中にある感情を織り込んだ。」という言葉も響いて、無性に何かを作りたくなる。
感化されやすい自分が少しおかしくもあるが、それこそ素直に受けた影響を表現してみてもいいのではないかと思えた。内側から湧き出す衝動に任せて、夢中で何かを作る。忘れていたこの感覚があるうちに、何か始めてみようと思う。
首里石鹸 中里ゆきこ