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首里散歩 Vol.301 忘れられない夏(首里散歩5周年企画・特別賞作品)

今回の首里散歩では7月に開催しました「首里散歩5周年企画~あなたの首里散歩を聞かせてください」で特別賞を受賞した「うみ」さんのコラムをご紹介いたします。

5年前に沖縄で生まれた「ご縁」の一部に首里石鹸アイテムが関われたことを嬉しく感じました。そして、そのご縁が続いていることも素敵です♪お二人の出会いの「沖縄」でまた語らう日が来ることを願っています。

首里石鹸 編集部より

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あの夏を今でも鮮明に覚えている。
東京での生活に疲れ、仕事を辞め、暗い部屋でただスマホを触っていた。
SNSでふと流れてきた沖縄の海に、心を奪われ、その手で航空券を取った。

翌日、沖縄へ飛び、真っ先に向かったのは、写真で見た、”赤墓ビーチ”だ。

ただ崖に腰掛け、波の音を聴きながら、水色の海を何時間も眺めた。
久々にまともに浴びた陽にくらくらしながら、途中で買ったおにぎりをほおばる。なんと幸運にもその日は沖縄にセブンイレブンがオープンした日。

なんていい日に来たのだろう。

記念品でもらったハンカチで汗を拭きながら、
「今日の宿はどうしよう。」
そう考えだした頃には、すっかり元気を取り戻していた。

「せっかく来たのだから楽しもう。」と心に決め、初めてゲストハウスに泊まってみることに。宿のある那覇に向かい、すぐに国際通りでソーキそばを食べた。

宿に戻り、洗濯していると、一人の女性が話しかけてきた。その女性もまた一人旅をしているという。話は盛り上がり、再び一緒に夜の街を練り歩く。

お酒を飲み、うみそら公園を散歩し、色々な話をした。
過去、現在、そして未来の話。

次の日は、友人になったばかりの女性と”瀬底ビーチ”へ行った。
赤墓ビーチの美しさとはまた違う、水色の海。泳ぐでもなく、波打ち際に座り、ひたすら話しをした。

帰りにブルーシールに寄り道し、空港へ。

友人とはそこで別れだった。

空港で、”またどこかで”と言葉を交わした後、
「これ!沖縄の思い出にどうぞ!」
と友人から渡された袋には、プルメリア&リリーのマリンクレイ洗顔とハンドクリーム、そして沖縄らしいパックが入っていた。

その日から沖縄の香りは、その香りになった。嗅ぐ度にあの日を思い出させてくれる。

あれから5年。
住んでいる場所も年齢も全く違う私たちは、環境が変わりママ友になった。遠く離れて会うことは難しいが、悩みを話し、情報を交換する関係が続いている。

あの日出会った沖縄に心から感謝をしている。