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首里散歩 Vol.317 沖縄がついてきた

今年の年末年始は夫の実家がある静岡に帰省した。

冬に静岡に行くのは初めてで、冬の雪が積もった富士山は「正規の富士山」という感じでとても良かった。正月早々縁起も良さそうだ。車を走らせている間もずっと見える富士山を眺めながら、静岡県民はいつも富士山と一緒なんだなと思った。

せっかく静岡に来たのだから、静岡の文化に触れよう!と、ショッピングモールで開催されるお正月イベントに行くことにした。定刻になるとステージで獅子舞が披露されるらしい。

沖縄の獅子舞を散々見てきた息子に、いつもと違う獅子舞を見せてみたいし、わたしも見たい。うきうきしながら早めに場所を確保した。

定刻になり、獅子舞が登場!

あれ?沖縄の獅子舞とあんまり変わらないんだな。意外~。

と思っていると、獅子舞の後ろに琉装を着た女性が現れた。息子が「エイサーだぁ」と喜んでいる。あれ???

あっけにとられているとアナウンスが流れた。

「本日はなんと、南の島・沖縄から獅子舞がやってきてくれました~!!」

・・・!?

まさかの!と夫と目を合わせて驚きながら、いつも通り絢爛な舞を見て、ガブされる息子をあやし、いつも通り「獅子舞こわかったネ」という息子に「頑張ったね」とヨシヨシしてその場を後にした。

「静岡まで、沖縄がついてくるとはね」

余韻に浸りながら、ぽろっとそんな言葉が出た。そう言ってすぐ、自分にすっかり沖縄が根付いていることにすこし驚いたが、夫も「本当だね」と同調した。

ショッピングモールを出ると冷たい風が肌を刺す。車を走らせると、相変わらず富士山がついてくる。そして富士山と一緒に沖縄の風もついてきているような、不思議な感覚が芽生えていた。

ライター
三好優実