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首里散歩 Vol.325 春日和

ある朝、テレビから「東京は先週15度の春日和でした」という声が聞こえてきて、思わず夫と目を見合わせた。

「15度って春だったっけ」と驚き、その日の気温(17度ほど)について「寒いよねぇ」「沖縄の15度は冬だよね」と言い合った。(わたしたちはどちらも県外出身なのに)

という朝を過ごしたちょうどその日、運転中に突然、視界にぶわっとピンク色が飛び込んできた。コスモス畑だ。

咄嗟に「やっぱ今日、春なんだ」と思った。
寒い寒いと冬一色だった体に、急に春が現れた。ここだけがやたら明るい畑はまさに「春日和」とやらのど真ん中みたいで、わたしは春を胸いっぱい吸い込んだ。

日本一早咲きとされるコスモス畑は、平日にもかかわらず多くの人で賑わっていた。中には近くの保育園から来たであろう子連れの集団が、元気いっぱい整列している。

カメラを持って歩きまわるわたしに、子どもたちは次々と「こんにちは」「こんにちは」「こんにちはぁ!」と挨拶をしたり手を振ってくれる。その隣にいる保育士らしき人たちも、笑顔で会釈をしてくれた。

気持ちよすぎる時間をありがとう、と思い、今日は間違いなく春です、と朝のニュースキャスターに謝りたくなった。春日和♩と思いながら、しばらくコスモス畑をうろついた。

これは1月の話だ。2月がはじまった今は、桜が咲いている。3月にはひまわりが咲き、3月末からは海開きが行われるだろう。それが沖縄。そんな季節感で、今年も上半期がはじまっている。

ライター
三好優実