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首里散歩 Vol.340 新月の願い

「明日は新月ですね」

石垣島の旅で、ソルトショップの可愛らしい店員さんが話しかけてくれた。

東京では、お月さまを話題に話しかけられるなんてことも、満月ではなく〝新月〟を話題に話すこともなかったから新鮮で、ちょっと驚いてしまった。

なぜならちょうどここ最近、月の満ち欠けと運気の流れに興味があって学んだばかりだったから。

新月はエネルギーチャージ、満月はデトックスに向いてると言われていて、新月に採れる塩は繊細なまろやかさで、満月は強さのある味に変わるそうだ。

「新月のタイミングで、石垣のエネルギーをチャージできますね!ちょうどいい時期に来られたのですね」

そう言われて、偶然グットタイミングで訪れることができた自分にちょっと得意気になった。

「石垣の人は月のリズムで生活していて、月は生活の一部なんです」

こんな風に自然に言えるってことがもう素敵すぎて、島人の魅力に人見知りの私でも話しが弾んだ。

宿へと戻る帰り道、日が暮れ始め石垣南端の街は急に薄暗くなる。

お店は早々とシャッターを下ろし街灯も少ないからだ。

月がうっすらと見えると、24時間煌々と明るい東京では感じたことがない〝月の存在〟そのものがここでは有り難いものに思えた。

そういえば、東京では月を眺めることなんてなかったな…

目を細めたような月に照らされながら、月光のパワーを浴びるように、できるだけゆっくりと歩く。

東京に戻り、しばらく経ったある日、ふと月を見上げた。)

同じお月様なのに違って見えるのはなんでだろう?

東京から見るお月様もしっかり輝いていて綺麗だけれど、満月ではなく〝新月だから〟と月を見上げる人は、そう多くはなさそうだ。

2025年3月の新月は29日。
自分自身に向けての願い事を縦書きで書くと叶いやすいと知ったので〝完成形〟にして願いを書いてみた。

〝また必ずきっと、沖縄に訪れます〟

ライター
まちこ