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首里散歩 Vol.344 桜のテラス席をさがしに

気温差が激しい今年の春。
夏日と冬日のすき間に、ふと春風を感じると、なんだかワクワクする。

東京では桜が満開になり、
雨の合間をぬってお花見を計画したり、
車窓から見える桜の咲き具合を気にしたり…。

新しい公園のオシャレなテラス席を見つけては、
「私だけのお花見スポットにしようかな~」
なんて考えるのも、ちょっとした楽しみ。

私は、外でごはんを食べるのが好きで、
「テラス席」という文字を見かけると、つい入ってみたくなる。


幼い頃、与那国のおじいちゃんの家に夏休みに遊びに行くと、いつも庭でごはんを食べていた。

ホームセンターで売っているような白いプラスチックのイスを四つ、テーブルを引っ張り出して、布巾で拭いて、おばあちゃんの合図でごはんを運ぶ。

夜には、特別にテレビを庭に向けて。
いつもは寝ている時間まで起きて、ドラマを見ながらごはんを食べるのは、当時の私にとって、とびきり贅沢な体験だった。

次第に、じいちゃんの友達も集まってくるから、そのたびにまたイスを出して、おばあちゃんの合図で、お箸と泡盛(シマ)を準備する。

お店やさんみたいで、お手伝いも楽しかった。
おじいちゃんちの庭は、私にとって一番のテラス席だった。

いつか私も、広いバルコニーのある家に住んで、
ホームセンターでイスとテーブルを買って、
自分だけのテラス席をつくるのが夢。

そんなことを思いながら、
都会のオシャレなテラス席を探して、桜並木を歩いている。

首里石鹸 池田まお