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首里散歩 Vol.366 2人はサーターアンダギー

大きな大きな丸いお風呂。そこに響く笑い声。
潜り合ったり、プカプカ浮いたり、楽しそうにしているのは次男と私。

??
なんだか様子がおかしいぞ。

お風呂のお湯はグツグツ煮えている!!
アングルが変わり、不思議なことに自分自身を見下ろしている私。

なんと。お風呂ではなく、油の入った大きな鍋ではないか!!

(えっー?!私たち、サーターアンダギーになって揚げられてるーー!?)


そんな夢で目覚めた朝。
なぜ、そんな夢をみたのだろう―。

きっと先日、サーターアンダギーを揚げたからだ。

なぜ次男が登場したのか―。
それもまた、次男とサーターアンダギーを作ったからか。


朝5:30アラームが鳴り、現実に戻った私は、寝ぼけた頭で先ほど見た夢を静かに思い出した。

これまで兄や姉の用事に連れられ、常に誰かが一緒の次男。今年から、上の子供たちの生活環境がガラリと変わり、家にいない時間も増えた。

そして生まれた次男と私の『ふたり時間』

そんな次男の「サーターアンダギー作りたいー」とのリクエストで作ることになったのだ。
久しぶりにみたパッケージに心が弾む。

作り方はシンプルで、裏面に書かれた説明も低学年の子供にわかりやすくありがたい。

「水、入れないんだ。卵と粉だけで、できるんや!?」

「えー!かたくて混ざらないーホンマにこれで良いのーー??」

と、ワチャワチャ言って楽しそうな姿が新鮮だった。

説明書きには「少し生地をおくとより美味くなります。」の言葉。

なんて、待てるはずもない。
早く食べたい息子は、あみだす。

「そうや!すぐ作ったヤツと、置いたヤツどっちが美味しいか、食べ比べよー!」

と、素晴らしい提案をするではないか。

「しょうがないな~」

と、言いつつ、早く食べたい私も

(よし!きた!)

と、揚げにかかった。

油を手にぬり、コロコロ

一口サイズや、大きいサイズ

長細くしたり、形を色々試した。

しかし、

「あれー?あの形になっちゃうー!」

揚げると、あんなに色々変えた形が、馴染みのサーターアンダギーの形になってしまうのだ。

「あれれー、またー」

と言って2人で笑った。

「できた〜!」

揚げたて、冷めるまで待てるわけもなく、アチチー!と半分こ。

「ん〜〜!美味しーーー!サイコー!!」

と、お口をハフハフしながらほおばる。

「ん〜〜!懐かしーー!」

と、息子。

懐かしい。(そっか、覚えてるんやな〜)

沖縄に少し住んでいたときは、まだまだ小さかった次男。
あまり記憶はないかな?と思っていたけれど、不意にでてきた記憶なのだろうか、

そういえば、沖縄のお家の縁側で次男が何かに手を合わせていたのを思い出した。

(何をしているんだろうか?)

と、見に行くと、蚊取り線香に手を合わせていた。

ご先祖様を大切に思う沖縄のご家庭に行くと、まず先に、お仏壇にお線香を、そして手を合わせていた。

その習慣が、自然と幼いながらに身についていたのだろう。

蚊取り線香に思いをはせた顔がおごそかだった。

彼の中にもちゃんと沖縄の心。
(嬉しいな)としみじみ思った。

そうこうしている間に、ねかしておいたサーターアンダギー2部目。

1部目より、外はサクサク、中はふっくらしているように感じた。

アレンジを聞かせて自家製イチゴジャムもトッピング♪

これまた美味しい〜

「さて、ハート型とラグビーボール型はどれでしょうか?」
誇らしげに兄と姉にふるまう次男。

夢の中、サーターアンダギーになって楽しそうだったのが腑に落ちるのだった。

ライター
パッチンくるり