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首里散歩 Vol.375 ルートX~地図にない場所~

7月頃になると、
「沖縄に旅行に行きます!」
という声が、周囲からチラホラ聞こえてくる。

「青い海を満喫します!」
「オーシャンビューで、プール付きのホテルに泊まります!」
「沖縄料理を堪能します!」
「北部の自然!美ら海水族館へ行こうかと!」

それぞれが計画を立て、
夏のバカンスにウキウキ、ワクワクしている姿がまぶしい季節がやってきた。

かつて沖縄に住んでいたことがある私。

「どこかオススメありますか?」

と聞かれることもあるのだけれど、
有名な観光地はすでに皆が知っていて、
検索すればたいていの行き先は見つかる時代。

私はというと、ラグジュアリーとは無縁の、
ごくごくふつうの生活を送っていたので、
「オススメは?」と聞かれるたび、なんだか少し恐縮してしまう。

△子供たちとよく遊びにでかけた公園には、沖縄ならではの植物や花がたくさん咲いている。

重い歴史を背負いながらも、
それでもなお、沖縄には魅力的な場所があふれている。

・ ・ ・

私が暮らしていたエリアだけでも、
“おすすめ沖縄”はたくさんあった。

夜遅くまで開いている喫茶店では、
「味噌汁」を頼むと、何も言わずとも白米がついてくる。
しかもどんぶりサイズで、並ではない。もはや、完全に定食だ。
 

個人経営のお弁当屋さんも多く、
300円もあれば、小さな子どもと私のふたり分が満腹に。
天ぷらに煮もの、もちろん白米てんこ盛り。
サービス精神のすごさに驚いた。

キッズスペース完備の居酒屋では、
お酒も食事もゆっくり楽しめて、
帰り道も徒歩圏内。最高だった。

フリーマーケットも頻繁にあって、
市民館ではテイクフリーや物々交換も賑やかに行われていた。
海外のアンティークと沖縄の民芸品が並ぶコアな会場では、
「掘り出し物ないかな〜」と目を光らせていたものだ。

道を歩けば、南国の花々が咲き誇り、
誰かの庭が、もう植物園みたいだった。

高台の公園や、坂の上の公民館に行けば、
町並みと広い空、そして海を一望できて、
観光地に行かずとも十分に景色を楽しめた。

さてさて、あの場所への道のりは……どうだったかな?

ルート「58」や「331」とはちょっと違う。
観光マップには載っていない。

ルートXを行くと
ウキウキ ワクワクがとまらない。

みんなにも、そんな発見があるといいな。

よい旅になりますように☆

ライター
パッチンくるり