沖縄に帰るたびに、私はますます沖縄のことが好きになる。
今回の帰省も、天気予報はずっと雨。せっかくフォトウェディングを撮ろうと思っていたのに。
でも、大丈夫。私は晴れ女だから。

結婚して初めて夫と帰る沖縄。
生まれてから20年以上過ごした場所なのに、当時の私は何も考えず、ただ毎日を過ごしていた気がする。
久しぶりに帰ると、空港を出た瞬間、むわっとした湿度に思わず笑みがこぼれた。夜遅い便で到着し、急いでタクシーを探す。運転手さんの沖縄訛りが懐かしく、心地いい。
「Y(ワイ)ナンバーや外国人のレンタカーには気をつけなさいよ〜」
そう声をかけられて、観光客だと思われたみたい。
『実はうちなんちゅです。』なんて、心の中で返事をした。
※「Yナンバー」は、米軍関係者(軍人・軍属)とその家族が所有する私有車に付与されるナンバープレートのこと。

翌朝、目を覚ますと、空は眩しいほどの晴れ。
「やっぱり私、晴れ女だ。」
そう頬がゆるむ。汗が頬を伝うのさえ、光をまとってきらめいているように思えた。

結婚式を挙げていない私たちにとって、フォトウェディングはとても特別な一日。
撮影スタッフはみんな優しくて素敵な人たち。
県外出身の方ばかりで、沖縄の魅力に惹かれてここに来たのだと、キラキラした笑顔で話してくれた。

“晴れ女”って、結局はマインドの話だと思う。
「旅行に行くと必ず晴れるんだよね!」なんて私はよく言うけれど、もちろん雨の日もある。
それでも、思い出すのはいつも太陽の下で笑っている自分。
雨の日の憂鬱はすっかり忘れてしまい、心に残るのは輝いた記憶ばかり。
それに、不思議と大切な日の空は、いつも晴れている気がする。
そんな明るい心を育ててくれたのは、やっぱりこの沖縄なのだろう。
首里石鹸 井口 ひかり