4月に入り梅雨入りするまでの間、沖縄はうりずんの季節を迎えている。

夏を思わせる日差しが影を潜め、過ごしやすい日が続く。
周りを見渡すと、花が咲き誇り、木々の緑が濃く優しい風にそよそよと揺れているのが気持ちいい。

この時期になると緑の葉をいっぱいつけているだけでなく、何やら赤や紫の実をまとっている植物をよく見かけるようになる。
「桑の実」だ。
沖縄で見かける桑は「島桑(シマグワ)」といって、日本では南西諸島のみに分布している植物。
今でこそ、効用が見直され実はジャム、葉はお茶などに加工され特産品となっているが、私の小さかった頃は友だちと遊んだあと祖母の家に行き、桑の木によじ登って、口の周りを真っ赤にしながら頬張った思い出の実だ。当時の子どもたちの貴重なおやつだった。
でも、いつの頃からか全く食べなくなっていた。
それが、最近実をいっぱいに実らせた桑の木を発見!たわわになるとはこのこと。どれも熟して美味しそうだ。

ちょうど庭にいらっしゃった持ち主の方に声をかけてみた。
「この桑の実を少しいただいてもよろしいですか?」]
「え?食べるの?懐かしいね~。全部食べていいよ。」
(さすがに全部は食べきれない…)
「ありがとうございます。散歩しながらいただきます!」
早速一粒つまみ口の中へ。
「う~ん。懐かしい。すごく甘いってわけじゃないけど美味しい。」
私が食べていると一緒に散歩をしている愛犬が、「何一人で食べているの?」と恨めしそうに見ている。

「ごめん、ごめん。君達も食べることできるか調べてからね。食べることできるといいねぇ。」
家に帰って調べてみると、栄養価の高さに驚いた。そして、犬が食べても大丈夫だということもわかった。
翌日から散歩の休憩に、桑の木の下で実をつまんでは愛犬と一緒に食べる日が続いている。

実をつける時期はわずかな期間。
愛犬と食べ過ぎに気を付けながら懐かしい自然の甘さを楽しみたい。
ライター
大城くいじなう