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首里散歩 Vol.103 シージャー(先輩) 2021年10月15日

クーラーを切ると、じんわりと暑くなり、まだまだ秋と言っても、爽やかな夏の域を超えない沖縄です。

毎年この時期に行われていた、私と母が通った東京の大学の沖縄支部同窓会は、
コロナ禍で、もう2年も開催できず、70代後半から90代の大先輩たちのお顔を思い出しては、懐かしく思います。

沖縄で、東京の学校の記憶を共にする、うちなーぐちで言うシージャー(先輩)がたくさんできて、母でさえ「若い人」としてアドバイスをされているのを見て、 とても視野が広がりました。

定年まで先生をしてきたという先輩が電話をくださり、先輩が小さい頃から住んでいたという首里の石畳の近くの街の話、大赤木の話などで盛り上がりました。
凛とした穏やかな話し方で、私の興味を聞き出し、それに見合った情報の要点を次々と教えてくださる様子は、まるで授業のようで。
頼れるシージャー(先輩)であり、シンシー(先生)でもあるような気がしました!

せっかくなので、母を誘って家族で、ドライブに出かけました!
最初に立ち寄ったのは、県内で最古最大の石獅子である富盛のシーサーです。
民家の間の細い坂道を上がりきった高台にありました。
この富盛地区で火災が多かったために、火除けの目的でこの地域を見守り続けているそうですが、その表情は、どこか自然に寄り添うような穏やかさがあり、沖縄の人らしさを見る思いでした。

次には、南城市にあるチチンガーという、島添大里城の城壁外に作られた共同井戸を訪れました。
入り口から光の差し込む、緑深い石段を降りたところに取水場があり、手に触る水は、まさに自然の恵みに感じました。

沖縄では古くから井泉と御嶽信仰があると言いますが、
ひっそりと涼しい湧水(カー)の環境を知ると、感謝の気持ちが沸き起こってくるものです。

これからも先輩から教えていただいた場所を訪れながら、沖縄を感じていきたいと思います。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子