沖縄の観光地、住宅、あらゆるところで見かけるシーサー。
シーサーは、沖縄の方言で「獅子」という意味で、
人々の身を守る、守り神です。
沖縄県民にとっては、小さいころからよく目にしていて、
当たり前のように身近にいるシーサー。
その中でも大きなシーサーを見ると、ある一枚の写真が
わたしの頭の中に浮かびます。
それは、父と兄とわたしの三人が、シーサーの前に並んで写っている写真です。
そこでの思い出は今でも鮮明に覚えているんです。
おばあちゃんのお隣さんのお家。
段の上に座っている大きな立派なシーサー。
まだ小さなわたしは、そのわずかな段の隙間にちょこんと座り、
父と兄とお喋りをします。
そこで負けず嫌いなわたしは「じゃんけんしよう!!」と、
なにかと勝負をしたがります。
わたしと父、わたしと兄、代わりばんこで何回もじゃんけんをします。
でも、何度やってもわたしばかり負けてしまう。
父と兄は大笑い。
どうやら、わたしの出す手がゆっくりなので、 なにを出してくるのか、わかっていたようです。
わたしは案の定、怒りながら泣いたのを覚えています。
なんとも鈍くさい話ですが、
今では自分でもおかしくてフフッと笑ってしまいます。
わたしが産まれたころから、ずっと見守ってくれていると思うと感慨深い。
今はなかなか会いに行くことが難しいのですが、
おばあちゃんのお家に行くときには、あの思い出のシーサーに
心の中で声を掛けてみようと思います。
ライター
首里石鹸 玉城悠以奈