このタイミングで夏が戻ってきた。
沖縄に移住して何年も経つけど、いまだにびっくりする現象である。
ほぼ毎年びっくりしているから、12月に夏が戻ってくるのはきっと沖縄あるあるなのだろう。
最近行く場所行く場所でクリスマスツリーを見かける。それなのに半袖。
年末年始どうする?という話題が出始める。それなのに半袖…。
冬服のセールがはじまる。それなのに…。
このギャップにいつまでも慣れないのは私だけではなく、毎年12月に母に写真を送ると決まってこんな返信がくる。
「え?半袖?」
ほぼ毎年である。いい加減慣れてもいい頃なのに、やはり毎年びっくりするらしい。だけどその気持ちは分かる。だけど毎年すぎてコントのようだ。
先日、実家から大量のみかんが届いた。
息子があまりにもみかんをおいしそうに食べるので、母に動画を送ったら「コタツでみかんじゃなくて、半袖でみかん(笑)」と返信がきた。
そういえば沖縄でコタツを見たことがない。
今期唯一観ているドラマが『コタツがない家』というタイトルだが、沖縄でコタツがない家はデフォルトである。ないというより、必要ない。
コタツが必要ない県、最高じゃないか。
そもそも私が沖縄に住み続ける理由のひとつに「寒くないから」がある。
真冬に暖房なしで布団から出られるなんて快適すぎるし、ブーツやコートを買わずに暮らせるのは経済的でもある。そもそも私は昔から、冬も暖房も冬服も嫌いだ。
ただこんな私でも、1日だけ寒くあってほしい日がある。毎年ひそかに願っている。 Xmasだけは半袖で過ごせませんように。
さすがにXmasは、両手で肩をこすりながら「寒い~」と言いたい。県外出身者のわずかなアイデンティティかもしれない。沖縄生まれの人はどうなんだろう。
ライター
三好優実