「お母さん!この花凄く綺麗~!なんていう花?」娘の指さす方を見ると、実家の垣根から月下美人が白く美しい花を咲かせていた。
「今年も月下美人の花が見れる季節になったのか…。」と胸を躍らせつつ、花の名前や、一夜しか咲かない花であること、私と母、そして娘からするとひいおばあちゃんにあたる祖母も好きな花であったことを娘に教えた。
その後、先程よりもさらに熱心に月下美人の花を見つめる娘の姿に、幼少期の私が重なった。
私が幼少期の頃、毎週土曜日の夕ご飯は祖母の家でが定番だった。夕ご飯が出来上がるまでの間、中庭に咲いていた胡蝶蘭やパンジー、ペチュニアやツツジなど、当時は名前も知らなかった沢山の花を、祖母から借りた植物図鑑で探しだす時間が楽しかった。
夕食を終え、すっかり窓の外は真っ暗。自宅へ帰ろうと玄関を出ると、中庭の花たちも寝支度をしているのか、ひっそりとした空気が漂っていた。
なんだかすこし寂しい気持ちで中庭を横切っていると、甘い香りが鼻をかすめる。生垣に目を向けると、白く大きな花が視界いっぱいに広がる。それが月下美人だった。
「お母さん、この花ってなんていう名前?」母に問うと、それは月下美人という花であること、祖母が一番好きな花であること、夜に咲き、朝にしぼむ花であることを教えてくれた。幼心に、月の光に照らされながら、凛と佇むその姿がとても綺麗だと心を奪われた。
今、祖母の庭で咲いていた月下美人は、母が世話を続け、毎年実家で綺麗な花を咲かすようになった。甘い香りと、切ないほどに美しい花は、祖母・母・私・娘と、世代を超えて私たち家族を繋いでくれているのかもしれない。
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