1歳の息子が、すこしずつ言葉を話すようになってきた。
最近のマイブームはバス、救急車、消防車など主に乗りもので、おでかけするとすれ違う乗りものを言葉で教えてくれるのが最近の日課だ。
そんな中、最近よく言うけどなにを指しているのかさっぱりわからない言葉があった。
「ともり」だ。
チャイルドシートからどこかを指さしながら、うれしそうに「ともりー」と言う。ともりって何?と思っていたが、ある日突然わかった。
「こいのぼり」だ。
こどもの日を前にして、家や川、道沿いなどあらゆる場所にこいのぼりが飾られており、それらを見つけるたびにわたしに教えてくれていたのである。すごくかわいい。
こいのぼりは期間限定だし、せっかくだから息子の「ともり」をいっぱい聞こうと、こどもの日は北部のこいのぼり祭りに行くことにした。
大きなこいのぼりが悠々と空を泳ぐ姿に息子は大興奮!
かなり遠かったし道は混んでたし散々だったけど、ま、今だけだし、ちょっと頑張るに値するよねこいのぼり。と納得して祭りを盛大に楽しんだ。
が。数日後。こどもの日が終わった後も、道を歩けばそこかしこでこいのぼりが空を泳いでいる。
そうだった。沖縄は、どういうわけか”期限切れ”が長く設置されるまちだ。
居酒屋のトイレにはよく、1年前に終わったイベントのポスターが貼られている。下手したら3年前のものすらある。
こどもの日が終わり、そろそろ2週間が経つが、今日もすこし歩けば気軽にこいのぼりを見ることができる。息子は今も見つけるたびに「ともりー」とうれしそうだ。かわいいなと思うが、苦労して北部まで行ったのは何だったんだともちょっとだけ思う。
こいのぼりが完全に撤去される頃には息子の「ともり」も、すこしだけ「こいのぼり」に近づいているかもしれない。
ライター
三好優実