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首里散歩 Vol.268 2歳の誕生日プレゼント

そわそわしている。

仕事の合間に、移動中に、寝る直前に、ふと思い出して、いろいろ検索したり妄想してしまう。

もうすぐ息子の誕生日なのだ。

生まれた日のことをつい昨日のことのように思い出せる息子が、2歳。いまもまだ赤ちゃんのように扱ってしまうけれど、もう2歳。2歳…!

半年くらい前から夫との間に「プレゼントどうする?」という会話が生まれはじめ、音楽が好きだからカラオケのおもちゃがいいんじゃないかとか、最近乗り物に夢中だから消防車のおもちゃはどうだとか、光る靴デビューしちゃう?などと散々案を出しながらも「これだ」ってものが見つからず、早くも誕生日を1か月切ったある日。というかある週のこと。

それはたしかゴールデンウイーク。各地でエイサーをやっていたため、3日間連続でエイサーを見に行ったところ、息子がどはまりした。

以来、息子は家でずっと小さな太鼓のおもちゃを振り上げ「イーヤーサ―サー!」と声を張り上げている。我が息子ながら、腹から声が出ていて超かっこいいし超かわいい。

数日のブームかと思いきや、約1か月経った今も毎日イヤササしており、保育園でもイヤササしすぎて他の園児たちの間でも一時イヤササが流行ったらしい。ちょっと誇らしい。

その様子を見て、わたしと夫はとくに言葉を交わすことなく、誕生日プレゼントはパーランクーにしようと決めた。

届いたパーランクーは押し入れの中にこっそりと隠しており、毎日イヤササーと叫ぶ息子を見るとうっかり差し出したくなる。

パーランクー。一度も触ったことがないので、中身をあけて触ってみる。こんな感じなんだ、パーランクー。わたしたちが幼少期に出会わなかった文化に、息子が2歳にして触れることが面白い。

すぐに飽きるかもしれないが、もしかしたら長年使ってくれるかもしれない。そしてそう遠くない未来、わたしたちが使ったことのない沖縄の方言を喋りはじめる日もくるだろう。

パーランクーを使いこなし、沖縄の言葉を話しはじめたら、もうそれは沖縄の子どもだ。

そう思うと、今のうちに沖縄そばくらいは作れるようになっておいた方がいいのか、と思う。きっと、息子に「そば食べたい」と言われる日がくるはずだから。そのとき息子は、わたしたちが頭に浮かべる「蕎麦」ではなく「沖縄そば」を指しているはずなのだ。

ライター
三好優実