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首里散歩 Vol.269 ありがとうがこだまする

次々と、東京から送られてくる写真の数々。
私からしたら、見覚えのある街並みや路線図の写真の後、「目が回る」という息子のメッセージに笑ってしまった。

そう、先日、息子と主人と母が、東京に行ってきた。
私が猫たちのために留守番することはよくあるけれど、こんなにも距離が離れて、数日間一人きり(人間としては)というのは、初めてのことだった。

寂しくなったりするのかなぁと思ったけれど、実際は、この上ないマイペースの心地よさに酔いしれて、出産以来ぶりなんじゃないかしらと、自分の歴史をしばし振り返り、平穏に過ごしてきた日々を、感慨深くも感じた。

息子のお稽古にもお手伝いで参加したり、小学校での読み聞かせのOB参加もしたり、そんな少しだけ入っていた予定も、一人だと準備もシンプルでなんだかとても楽で。最近は、割と自立してきた息子を思い出して、いつも連れて行かなくちゃと気負っていたのは、もしかしたら取り越し苦労なのかもしれないなと、笑ってしまった。

生まれて初めての夢の国も満喫してきた息子。そして、いつになく疲れた様子で「『お父さんありがとう』って何度も言ってきて、すごく楽しかったみたい」と息子の写真を送ってきた主人。

お互いが子育てで、また少し歩み寄る、いいきっかけにもなったのかもしれない。

空港に迎えに行くと、「結局何もやらないで終わっちゃった」と笑う私に、息子が「ゆっくり良い時間が過ごせて良かったね」なんて言う。

ありがとう、ありがとうと、なんだかありがとうがこだまするように行き交って、それぞれの良い時間が無事に完了した。その後も、心にありがとうがこだましながら、今まで以上に自分らしい時間を、大切に過ごしている。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子