こんにちは。首里石鹸の翁長(おなが)です。
首里石鹸のラジオ番組「はじめまして、首里石鹸(FM沖縄にて毎週土曜日の朝9:30~9:55まで放送中)」に出演したスタッフに、その後の状況を色々聞いてみる座談会「またやーたい、首里石鹸」。
第三弾となる今回は、ゲストに課長として首里石鹸のローカル店舗(地元のお客様がよくご来店される店舗)のマネジメントをされている松尾(まつお)さんをお招きしました。
それでは、2人でゆっくりと語らい合う場、「またやーたい、首里石鹸」のはじまり、はじまり~♪
翁長:
松尾さん、今日はよろしくお願いします。
松尾:
よろしくお願いします。今日も張り切っていきましょう!
翁長:
松尾さんのこのパワーにいつも元気をもらっています(笑)先日のラジオ出演いかがでしたか?なにか反響ありました?
松尾:
ぼく、プライベートで空手をやってるんですけど、そこの方々がラジオを聞いてくれてたみたいで。「松尾さん!私も育成してください!」ってみんなから言われました。
翁長:
ラジオでお話ししてたことだ。スタッフ育成のことですね。
松尾:
そうです。ぼく、テニスもやってるんですけど、そこでも言われました。やっぱり沖縄って、ラジオの文化が根づいているっていうか、とにかく反響がすごかったですね。
翁長:
これまでラジオに出演されたご経験は?
松尾:
ないです。今回が初めてです。翁長さんと伊藝さん、お二人との会話のキャッチボールを通して、頭の中がクリアになる感覚がありました。自分の仕事の棚卸しができたというか。
翁長:
そう言っていただけて、とてもうれしいです。空手にテニスに、いつもアクティブな松尾さんですが、日々の生活や仕事の中で、心がけていることってありますか?
松尾:
「心・技・体」っていうのを大切にしています。心と体って、コインの表と裏っていう感覚が自分の中にあって。体をメンテナンスしていくと、気持ちも上がるんですよね。ぼく、ぎっくり腰になったことをきっかけに「このままじゃいけない」って思うようになって、体を整えるようになりました。やっぱり気持ちがいいです。体を動かすと、心の調子も良くなってきて。
翁長:
仕事をする上でも大切なことですよね。体と心の調子を整えるって。
松尾:
わたしはマネジメントをする立場なので、自分自身が基準になるっていう意識を大切にしています。リーダーが元気なかったら、周りにもすごく影響しちゃうじゃないですか。ぼく自身の在り方が、首里石鹸スタッフの基準をつくるんだっていうことを常に意識しています。まわりの人たちにとっては、少し暑苦しいかもしれないけど(笑)
翁長:
そんなことないですよ(笑)松尾さんに会うたびに、わたしは元気をもらっています。
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松尾:
ぼくが首里石鹸に入社したのが3年前になるんだけど、そのとき翁長さんは当蔵店の店長だったね。
翁長:
そうですね。松尾さんは課長職として入社されて。
松尾:
お会いしたときから翁長さんは光り輝いてました。ぼくは本社勤務だったんですけど、店舗でお会いした時には、いつも勉強させてもらってました。
翁長:
そうだったんですか!?知らなかったな、それは。
松尾:
接客のことや、店舗スタッフのマネジメントにしっかりと取り組んでいて、その姿勢にいつも感銘を受けていたというか。
翁長:
うわぁ、うれしいな。松尾さんはわたしたちのエリアも担当されていて、いっしょに盛り上げていこうねっていつも話していましたね。
松尾:
ぼくは中途採用ということもあったので、まずはスタッフのみんなに受け入れてもらうことが大切にしていました。本来は、店舗のスタッフから始めて、そこから店長をやって、そこで実績を積み重ねて課長になるという流れだと思うんですけど、ぼくの場合は、いきなり課長という立場で入社したので。プロセスをふんでいない分、どうやったらスタッフのみんなに受け入れてもらえるかっていうことを常に考えていました。だから声かけにも熱が入っていたのかもしれません。
翁長:
松尾さんが入社した時のこと、めちゃくちゃ覚えてます!元気でフレッシュな上司が入ってきたー!って。しかも、すごい腰も低くて。「52歳です!新人です!」って言ってましたよね。
松尾:
いまもあの頃の気持ちを忘れずに仕事に取り組んでいます(笑)
翁長:
いつも謙虚で、パワフル。松尾さんが入社されたとき、「首里石鹸がいい方向に動きそう!」ってワクワクしました。
松尾:
ちょっと待って。あまりハードルをあげると、今後どんどんイメージが下がっていきそう(笑)減点方式はやめてね。
翁長:
そんなことしませんから(笑)
松尾:
でもこうやって翁長さんとお話しすることができて、あらためて自分の考えが整理されていっている感覚があります。
翁長:
松尾さんの考えていること、ぜひ聞かせてください。
松尾:
ぼくは今、入社して3年とちょっと。スタッフのみんなとゆっくりコミュニケーションを重ねてきましたが、自分が思う理想を少しずつ実現してきているなという感じがしています。
翁長:
そのお話しすごく聞きたい。松尾さんの理想ってなんですか?
松尾:
首里石鹸を建築に例えてお話しますね。数年前までの首里石鹸は人も組織も小規模でした。それが今は高層ビルを建てるくらいのイメージでどんどん拡大していってる。
翁長:
その感覚、すごくよく分かります。
松尾:
そういう状況だから、ぼくのようにスタッフをマネジメントする立場の人間は、これから先の設計図をしっかりと描く必要がある。店舗で働くスタッフが活き活きと輝けるような場所を作らなきゃいけない。まだまだ時間はかかるけど、少しずつそれを実現していっているなっていうことを感じています。
翁長:
松尾さんの理想像、ぜったいに実現させてほしいです。
松尾:
そのためにも、リーダーは上機嫌でいることがとても大切。繰り返しになるけど、リーダーの在り方は、組織に大きな影響を与えるから。お客さまに感動を提供するのは、あくまでも店舗に立つ首里石鹸スタッフ。その方たちが輝けるように、ぼくも自分の仕事に取り組んでいきたい。
翁長:
首里石鹸スタッフとのエピソードで印象深いことって何かあったりしますか?
松尾:
たくさんありますけど、最近で言えば、サンエー那覇メインプレイス店の座安さんかな。
翁長:
座安さん!またやーたい首里石鹸の初回のゲストです。
松尾:
座安さん、店長としての在り方にすごい悩んでたんですよね。店長ってやっぱり辛いこともあるし、孤独を感じることも少なくない。
翁長:
わたしも店長を経験しているだけに、よく分かります。
松尾:
昨年の夏、座安さんがポロッと「若い人たちに道を譲った方がいいんじゃないか」って言ったの。
翁長:
それは‥、とっても苦しかったんでしょうね‥。
松尾:
社会人としてキャリアもある中で、上手くいかない事もありますよね。その時に、ぼくに何ができるかっていうことを真剣に考えました。ぼくは直接的には彼女の苦しみを解決することができない。あくまでも乗り越えるのは座安さん自身ですから。でも、彼女の苦しみに耳を傾けることはできる。倒れそうになったら支えることができるし、倒れてもまた立ち上がるためのサポートができる。そんなことを考えながら、座安さんに伴走していました。
翁長:
店長としての苦しみは、自分で乗り越えるしかない。それもよく分かります。
松尾:
そうこうしているとね、それから数ヶ月して、座安さんの発言が少しずつ変わってきたんです。「今はスタッフにすごく助けてもらっている」っていうような感じで。
翁長:
なにがきっかけだったんでしょうか。
松尾:
周りがどうこうというより、彼女自身が「変わろう」って思ったことじゃないでしょうか。しばらくするとね、今度は楽しそうに話すようになって。「いま、スタッフのみんなとこういうことに取り組んでいます」って活き活きとした表情で。
翁長:
うわぁ。座安さん、すてき。苦しみを乗り越えたんですね。
松尾:
ぼくもとっても嬉しくて。座安さんが自分で立ち上がるところのそばにいることができて、本当に良かったなって思いました。座安さんは今、すごくいいチームを作っています。彼女の元から、役職者がどんどん生まれてきている。座安さんの姿を見ていると、人が成長していくのに年齢なんて関係ないっていうことを教わります。すごいですよ、座安さんは。ぼくにとっても頼りになる存在でいつも助けられています。
翁長:
わたしも松尾さんに支えてもらったことを思い出しました。店長をやっていた頃、ちょっと気負いすぎて空回りしていて‥。ちょっと愚痴交じりで松尾さんにお話したことがあります。もうわたしにとっては、お父さんみたいな存在で。
松尾:
ぼくはスタッフの相談を受けるときは、役職とか会社の立場をいったん外しますから。
翁長:
わたしがもう、今までにないぐらい辛いときに、その苦しみを受け入れてくださって。自分の頭の中が整理できないくらいに悩んでいて‥(涙)
松尾:
頭の中がまとまらないくらい悩んでいるのなら、まとまらないままでいいんだよ。言葉とかロジックで解決するよりも、ちょっと悩みを放置して、待ってみるって時もあっていいよなって思うんですよね。その時もぼくは翁長さんのそばにいて、彼女の話を聞いていましたけど、きっと翁長さんなら、自分で消化しながら、うん。その悩みを整理していくんだろうなって思ってた。
翁長:
それこそ店長を降りる決断する時も松尾さんに相談して。「首里石鹸以外でもやりたいことがある」っていうことを、社会人の先輩として相談させてもらいました。いろいろアドバイスももらって、ほんとうに相談しやすいです。松尾さんは。
松尾 :
役職があるから相談を聞くっていうわけじゃなくて、ひとりの人として向き合うっていうことを大切にしてるから。そうじゃないと信頼関係って築けないじゃない。役職としての立場で、機械的にアドバイスを伝えていっても、信頼関係ってできないと思うんですよね。そういうのって、コミュニケーションのスキルとかテクニックとかでどうにかできるものじゃないと思うんですよ。
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翁長:
松尾さんが今、首里石鹸の仕事に取り組む中で感じていることってありますか?
松尾:
首里石鹸の強みはやっぱり接客。その接客を因数分解すると「知識」と「技術」と「人間力」なんですよ。「知識」と「技術」は経験を重ねれば向上します。でも、最後の「人間力」って、教科書がないんですよね。マニュアルに沿った接客はもちろん大切なんだけど、それだけだと、お客さまの想定を超える感動を提供できない。
翁長:
すごくよく分かります。
松尾:
ぼくは今、久茂地店で働いている新人スタッフからすごく勉強させてもらっています。彼女たちは入社してまだ数ヶ月だから知識や技術のレベルはまだまだ改善の余地がある。でもね、彼女たち一生懸命なんですよ。お客さまにしっかりと向き合ってる。その姿勢って、100%の知識や技術を超えてくるんですよね。本当にいい接客っていうのは何かということを彼女たちから教わりました。
翁長:
スタッフのみんなも励みになると思います。そうやって見てくれている人がいるっていうことが、スタッフの支えになりますから。
松尾:
ちょっと待って。今日の話アツすぎない?大丈夫?暑苦しく感じてない?
翁長:
だからもう、そんなことないですってば(笑)あと何時間もおしゃべりできそうだけど、今日はこのあたりにしておきましょうか(笑)
松尾:
そうですね。このあとも仕事があるし(笑)でも今日あらためてお話しすることができて本当によかった。翁長さんありがとう。
翁長:
こちらこそ、本当にありがとうございました!
それでは、松尾さん。またやーたい!