ずっとずっと、旅は時間とお金に余裕ができたらする、特別なことだと思っていた。憧れることすらできず…。
そんなわたしが子供たちの巣立ちを機に旅をすることになった。
毎日一生懸命こなしていたあのルーティン。旅先ではできなくて、
「あれ、意外としなくてもいいことだったんだ」と気づく。
自分を縛りつけていたんだな、と。反対に、旅が生んでくれた〝新しいルーティン〟もある。
少し前に訪れた沖縄・瀬長島。
旅の興奮で早起きしてしまった1日目の朝。
二度寝もできず、ベランダに出てみると、目の前にはビーチと青い空。遠くの砂浜には、ビーチヨガを始めようとしている人たちが見える。
「私もやってみようかな」
遠隔で、見よう見まねで、同じポーズをとってみる。
静かな波の音
ほのかに香る月桃のにおい
那覇空港を飛び立つ飛行機
なんとなくの知ってるポーズで、静かに大きく息を吸い込んで、ゆっくりと深呼吸。自分だけのベランダで、がんばらない、周りを気にしないヨガ。
朝陽が昇った頃には、カラダよりもココロがスッキリ!その日は一日中心地よく過ごせた。
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寝っ転がると見える汚れ、
ペットボトルのごみ袋、
電柱しか見えない景色、
…でも、月桃のお香を焚いて、胸いっぱいに息を吸い込んで目を閉じると、あの沖縄が蘇ってくる。
好きなポーズだけ。ほんの数分だけ。だから、毎朝続けられるのかもしれない。
沖縄の旅をしてなかったら、月桃の香りも、この心地よく始まる朝も、ずっと知らないままだったかもしれない。
毎日の繰り返しで、一年があっという間に過ぎていく。
けれど、繰り返すことを積み重ねて今の自分が作られてゆく。
今年もまた、毎日が心地よくなれる新しい習慣に出会えますように〜♪
ライター
まちこ