Blog

首里散歩 Vol.321 黒糖は家族のはじまり

うちの調味料棚には、砂糖が2種類ある。

ひとつは上白糖で、もうひとつは黒糖。だけど、この黒糖を私は買った覚えがない。

沖縄出身の主人と結婚して、長野の私の実家で同居が始まって約1年半。

私は黒糖が好きだと気付いた。

サーターアンダギーもプレーンよりも黒糖味が好き。
ムーチーも黒糖味だとちょっと得した気分。
おやつのドーナッツも黒糖で作る。

写真:黒糖で作るドーナツのやさしい甘みがたまらない

そして最近のお気に入りはといえば、“ちんびんミックス”。

沖縄風黒糖クレープで、この粉にお水を加えてフライパンで焼くだけ。

休日のちょっとゆっくりできる朝食に焼くことが多い。

もちろん、おやつにもおすすめ。

沖縄では端からクルクルと巻くのが一般的だけど、敢えて巻かずにクレープみたいに折って、バニラアイスを添えることも。

黒糖の風味と、さっぱりしたバニラアイスがとてもよく合う。
あったかいちんびんに溶かされるアイスがかわいい。

朝食もおやつも、私の母と一緒に食べることがほとんどで、長野生まれ、長野育ちの母もおいしいと言ってくれる。


「結婚」って、ちょっと不思議だなあと思う。

赤の他人が結婚して、家族になって、一緒に住む。うちの場合は、私の両親とも一緒に住んで家族になる。でも、そんな不思議な関係の中で、両家の食文化が混ざり合うのがおもしろい。

長野の家には沖縄のかつおぶしと黒糖が常備されるようになり、
沖縄の家には長野の野沢菜や信州味噌が常備されている。

あの買った覚えのない黒糖を買ったのは、私の母だった。

母が買ってきてくれているというのが、ちょっと家族度が上がった気がしてうれしい。

これからもっともっと家族になっていくんだろうな。

我が家にとっての黒糖は、家族のはじまりなのかもしれない。

ライター
かなえーる