先日、実家の屋根裏部屋を片付けていると、一枚の絵が出てきた。鮮やかな朱色が特徴的な、瓦屋根の家を描いた風景画だ。懐かしさが胸にこみ上げると同時に、「まだ、大事に持ってくれていたんだ」と思わずつぶやいた。
私が小学生のころ、毎年の夏休みの宿題として提出する図画工作は沖縄らしい古民家をスケッチすことが多かった。母が平屋のお家が好きだった影響もあってか、毎年夏休みが近づくと、
「この前見かけた、あのお家素敵だったよね。今年はあのお宅にしようか?」
そんな会話が行き交っていた。
夏休みの宿題は、最終日になって慌てるタイプだが、母との「瓦屋根巡り」は楽しみで仕方なかったのを今でも覚えている。
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「そういえば、沖縄の瓦屋根ってどうして赤いの?」
ふと疑問に思い母へ尋ねた。
「沖縄の瓦は、泥岩(クチャ)が使われていてね。クチャには鉄分が多く含まれているから、低温でじっくり素焼きすると、きれいな朱色に仕上がるんだよ。」
続けて、祖母は昔クチャで髪を洗ったり、今でいう日焼け止めクリームのように、美容品としても用いられていたことを教えてくれた。
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今では毎日のスキンケアとして、私の日常に溶け込んでいる“クチャ”。
カタチを変えて受け継がれるものが、これから先もあり続けてほしい。そして、これから先の私の家族にも届いているといいな。
ひとくち解説:沖縄でしか 採れない 「クチャ」とは?
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「クチャ」とは沖縄の方言で「泥」のことです。
クチャは、沖縄の海に堆積した重粘土壌のこと。海洋由来のミネラルを豊富に含む天然無機物で保湿性に優れています。非常にキメが細かく、マイナスに帯電したクチャとプラスに帯電した汚れが結合し高い洗浄力を発揮します。ミネラル分が発する微弱な電流の作用で、血行や肌代謝を促進する効果も期待できます。
また、パックで使用する際は、クチャが乾く時の引き上げ感により、引き締め効果も期待できます。
さらに、沖縄では、昔から美容品として多くの女性が使っていたんです。時代が変わっても、「良いもの」は残り続ける。そんな沖縄の伝統と、自然の恵みを、今でも感じられるところも素敵ですよね。
首里石鹸 伊波みか
「クチャ」が配合されている
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