今の季節は、どんなに晴れていても、いつ『カタブイ』(太平洋高気圧によって、突然降る激しい雨、スコールのこと)に遭うかわからないので、気が抜けない。

短い移動時間にびしょ濡れになることもあれば、建物の中にいると気づかないことも多くて、なぜか道や車が濡れている?そんな時は『カタブイ』にご縁がなかったような気がして、少し寂しくなる。
まるでこちらの動きを合図にしたように勢いのある雨脚に出くわすと、肌に染み入る雨も、自然の摂理で決められていたことのような気がして、その出会いも静かに受け止めることで、秋につながっていく気がしている。

そして、様々な空模様が語りかけてくるのも、また巡り合わせに感じている。
先週、夕方の東海岸に、大きく輝く月が現れた。
普段見慣れない大きさと水彩絵の具で描かれたような色合いに、吸い寄せられるように、月を眺める人が何人もいた。

帰り道では、その大きな月の周りがぼんやりと霞んで、色彩を帯びていた。
これは『月暈(げつうん)』といい、月の光が雲の氷晶の中を波のように通り抜けながら屈折して起こる現象だという。

翌朝、その夜は皆既月食だったと知った。
多くの人が月の美しさに魅了された日、月食前の月からのプレゼントだったような気がした。
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また、一昨日、同じ場所で、息子がお世話になっているビーチサッカーのコーチたちの大切な試合があり、熱い戦いが行われた。

想いをつないで、全国大会への出場権を獲得した数時間後に、いつも通り子ども達へのスクールが行われた。
コーチと息子が片付けをしている時、空には『放射状雲』が広がって、刻々とその色合いを変えていった。


『月暈(げつうん)』も『放射状雲』も良いことの兆しといわれているという。
その瞬間の記憶と美しい情景が、いつまでも心を照らし続けてくれている。
ライター
首里石鹸 白鳥 恵子