店頭で、CUBE石鹸の香りをひとつひとつ確かめながら、楽しそうに話し合っているおふたりがいらっしゃいました。

「どれにする?」
「これもいいね」
そんなやりとりに、思わずこちらまで笑顔になってしまいます。
お声がけすると、沖縄での結婚式を控えていて、そのお返しに首里石鹸を選ぼうと考えてくださっているとのことでした。
「購入は沖縄の店舗でする予定なんですけど、先に香りを決めておきたくて。旦那を引っ張ってきました(笑)」
そう話してくださるおふたりの表情には、これから迎える特別な日への期待があふれていて。
学生の頃からのお付き合いだそうで、共通のご友人も多く、きっと賑やかであたたかな結婚式になるのだろうと感じました。
お話を重ねる中で、ウエディングドレスのお写真も見せていただきました。
真っ白なレースのドレスと、淡い水色の人魚姫のような一着。
どちらも本当によくお似合いで、おふたりのやりとりも、親友のような軽やかな掛け合いと、新婚さんらしいやさしい空気が混ざり合い、自然とこちらまで楽しい気持ちに。
そんなお祝いのシーンにぴったりだと思い、ご提案したのは「祭」の香り。
いくつもの色が混ざり合うその姿は、幸せを分かち合い、まぜあわせる踊り“カチャーシー”に由来しています。
そのお話をすると、
「これは絶対に入れたいね!」
と、迷いなく選んでくださいました。
さらに、おふたりが沖縄で式を挙げるきっかけとなった思い出の場所が「古宇利島」だと伺い、もうひとつは“海”を感じる香りをご提案。

その言葉に、私自身の記憶も重なります。
沖縄に住み始めて、はじめて迎えた休日。
同期と向かったのが古宇利島でした。慣れない環境の中で、不安ばかりが大きくなっていたあの頃。
けれど、目の前に広がるあの海の青さを見た瞬間、胸につかえていたものがすっとほどけて——
「ここで生きていくんだ」という、まっすぐなワクワクを思い出させてくれた場所でした。

だからこそ、おふたりの「忘れられない海」という言葉に、強く共感したのだと思います。
最後には「自分たち用にも欲しくなってきたね」と、ご自宅用にも石鹸を選んでくださり、その時間はまるで、小さな沖縄の旅のようなひとときでした。
私が接客で大切にしているのは、訪れてくださった方が、沖縄の記憶をそっと思い出せるような時間を届けること。
いつも使ってくださっている方にも、初めての方にも、その方の中にある“沖縄”に寄り添えたらと思っています。

自分が「やってみたい」と思ったことには、できるだけ素直に挑戦する。
そんな想いで沖縄に来た私にとって、あの日見た古宇利島の景色は、「その道で大丈夫」と背中を押してくれるような、やさしい記憶です。
あの日のおふたりは、もう結婚式を迎えられたでしょうか。
きっと、たくさんの笑顔と祝福に包まれた一日になっているはずです。
そしてこれからも、沖縄で過ごした時間や、まだ見ぬ景色に想いを馳せながら、
「また沖縄に行きたいな」と感じていただけるようなご案内をお届けしていきたいと思います。
首里石鹸 小田わかな