しばらく続いていた夏日から一転して、強い風と寒さ…と言っても、
天気予報の温度は最高15度、最低11度程度ですが、
久しぶりに沖縄にしては厚着が必要な寒い日を迎えています。
先日、母に誘われて、市の博物館で、漆の歴史と技法についての講座に行ってきました。
今回の講師の先生方は、平成3年頃に行われた
首里城の塗り直しの作業に当たった漆職人の10人の中の3人という紹介があり、
説明がとてもわかりやすく、何より先生方の漆工芸への愛が所々に感じられました。
心に残ったのは、レプリカと復元の違いでした。
レプリカは見た目だけの真似なのに対して、復元作業というのは、
レーザー光線などを使って、実際の仕組みやどんな道具を使って
どういう方向に刃を入れたのかまでを研究して、当時の技法を用いて、
新しい同じものを再現することだそうです。
先生方は、その復元作業の間は、古の世界の技法をひたすら追求したそうです。
漆は27〜8工程塗り重ねていくので、首里城の壁は塗り直しの時点でかなり劣化していて、
当時の仕上げ材はわからなかったそうで、
漆の伸びや色々な条件を検討して桐油仕上げを施したのが、今回の火事の後、
燃えやすい原因だったと分析されたことにショックを受けたそうです。
でも、その一言以外、ネガティブな言葉は一切なく、
ただただ植物や自然を大切にする考え方がスッと入ってくる、、、
漂う樹木の香りに癒される講座でした。
沖縄は自然が豊かで、沖縄の工芸にはその自然への愛が溢れています。
決して敷居の高いものではなく、体験したり学ぶことで環境への感謝の気持ちが広がる、
そんなことに気づいた体験でした。
ライター
首里石鹸 白鳥恵子