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首里散歩 Vol.156 新都心散歩2022年10月17日

首里散歩というコラムを書いていながら、実は散歩をあまりしない。

しないというか、極度のめんどくさがりなので「ちょっと近くを、ぷらっと」という気になることが極端に少ないのだ。旅先で朝から晩まで練り歩くことはするくせに。本当は「ちょっとそこまで」といって、ぷらっと散歩するような身軽な人間でいたいのだけれど。

が、そんな出不精な人間を「ぷらっと」出掛けさせるものがある。イベントだ。沖縄にはわりと小規模なイベントが多い。とくに私が暮らしている新都心エリアは、ちょっとしたイベントが突然ぽっと開催される。

先日、風が気持ちよくてちょっと出掛けたいなと思った日に、ミニマムなイベントが近くの広場で開催されていることを知った。

夫も私と同じく出不精なのだが、私たちは出不精なのに祭り好きという謎の性質がある。そして夫の口癖は「せっかくだから」。「新都心フェスタっていうのが近くであるらしいよ!」と声をかけてみると、案の定「せっかくだし行こうか!」と返ってきた。こうして我が家のぷらっとお出掛けが決定したのである。

おもろまち駅前で開催されていた新都心フェスタは思いのほか賑わっており、敷地内にはさまざまな飲食店がグルメロードをつくっていた。

入場していちばんに目についた「幸せのたい焼き」をすぐさま購入。私はコンビニの「白いたい焼き」が大好きなのだが、その2倍くらいのお金を払って幸せのたい焼きを購入した。

鯛の型を生地が超えていく、この幸せそうなビジュアルに、私は普段の2倍お金を払ったのだ。私にとってイベントの醍醐味は、ちょっと高いお金を払って、ちょっと気になる食べ物を買うことなのである。これぞ、イベント。

たい焼きは、クロワッサン生地のなかに田いもあんがみっちりと詰まっていた。本当にみっちり。つまりなかなかボリューミーだったので(しかもこの日はお昼ごはんに大盛パスタを食べたのだった)、もうなにも入らないと思いながらグルメロードを練り歩く。

たい焼きを食べなかったら絶対に買ったであろう、しらす丼をスルーする。(お酒を飲んでいたらきっと買っていたと思う)

レトロかわいく輝くグラスやアクセサリー、その奥にあるランプにも釘付けになる。が、スルーする。(お酒を飲んでいたらきっと買っていたと思う)

そうして、いろんなものを一生懸命スルーした最後、芝生に手づくり感満載のなにかがぶら下がっているのを見つけた。

牛乳パックもしくは泡盛の空きパックで作ったであろう、灯ろう。子どもたちの手づくり感がとてもかわいいと思った。きっと夜になると夜灯りになるのだろう。

かれこれ10分程度滞在し、夜灯りを見ることはなく私たちのぷらり新都心散歩は終わった。風が気持ちよかった。その感想もお散歩っぽくてよかった。目的さえあれば、ぷらっと散歩が成り立つのだ。

お散歩願望がある出不精の方、めんどくさい気持ちに勝ちたいときは、近くでちょっとしたイベントが開催されていないか調べてみるのがおすすめです。

ライター
三好優実

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