Blog

首里散歩 Vol.183 混ぜるの極意 2023年2月21日

息子の卒業を控えて、なんだか気忙しい春の日々。
しばらくの間、自分の時間を大切にしていた。そんな中で、自分の根幹を育んでくれた日常の環境や経験、安心感は、簡単には作れないものだと感じて、『今につながる全て』を愛しく感じるようになった。

学校で6年間、読み聞かせのボランティアをやってきた。
お気に入りの絵本を紹介してみようかな、と始めたものの、あまり読むのが得意でなく、子ども達のキラキラした表情に力をもらいながら、自分の心に染み入った、少ないことばの中に感じる余韻や情景を伝えきれないジレンマとの闘いの時間でもあった。

卒業前のイベントの準備で、久しぶりに保護者同士で、笑顔が溢れる。
世界の中の沖縄にいることを、各国の民族衣装からイメージしてもらい、それぞれの命を感じる本を読み、かけがえのない自分を感じてもらえたらと夢が膨らむ。

学校のイベントにたいてい入るのが、カチャーシーという踊りで、音楽がかかると、どこからともなく人がワラワラと中央に出てくる。舞台にも上がってくる。
年配の方も、普段あまり話さない方も、いつもは凛とした先生まで。
それを見て、子ども達も、いつものね、と踊り出す。
いわゆる振りの子もいれば、今どきのダンスの子もいる。

学生の頃、沖縄出身の友達と旅行に来て、親戚のお宅でも、その踊りのパワーに面食らったことを思い出す。

「カチャーシーは、幸せをかき混ぜるって意味なんだよー」
「ほら、こうやってかき混ぜるんだよー」
毎回、その引力に引き込まれて、無の表情でいる私に、何度でもその素敵なフレーズを伝えてくれる友がいる。
そして、ごちゃ混ぜを意味するチャンプルー(炒め物)を食べる時にも、そのフレーズを思い出す。
ありがとう。ありがとう。何度でも伝えたい。

自分の『今につながる全て』を、ここ、沖縄で出会っている一人一人の『今につながる全て』と、ごちゃ混ぜにかき混ぜるんだ。
いつの間にか読むのが苦手なことを忘れて、読み聞かせで起こるかき混ぜが、楽しみで仕方がなくなった。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子

その他の最新配信記事はこちら↓

▲タップ(クリック)すると記事に飛びます

▲タップ(クリック)すると記事に飛びます