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首里散歩 Vol.186 あの頃の勇気。 2023年3月1日

今日から3月に突入。
今年に入り、一日一日があっという間すぎて、「もう3月?!」と、今日一日で何度驚いたことか。

この日の午前中、スーツ姿やフォーマルな格好をした人たちをちらほらと見かけた。
「今日は、高校の卒業式かぁ。」

お昼を過ぎたあたりから、制服をきた高校生たちの姿がたくさん。
風船や花束を持ち、お父さんお母さん、友達同士で歩く姿。

そんな光景を目にして、自分の高校卒業式の日のことを思い出す。

昔から人前に出るのが苦手だったわたし。
卒業証書授与のとき、担任から一人一人名前を呼ばれたらその場で返事をし、壇上に上がる。あれ、ものすごく嫌だったなぁ〜、とか。

でも、当時流行っていた歌が卒業ソングとなり、卒業生みんなで歌うときは楽しかったし感動したなぁ。そして、やっぱり寂しかったな、とか。

式が終わったあとは、正門近くの広場で、友達と写真を撮ったり、部活生は先輩後輩と絡んだり、各々で “高校生最後”の瞬間を過ごす。

そんなわたしは、好きな人と写真を撮る。という、ものすごく青春らしいことをしていた。
とは言っても、こんなわたしがすんなり行動に出れるはずがない。

会話の内容は覚えていないけど、友達にうだうだと弱音を吐いていたことは確か。なんでも大勢の中に飛び込んで声をかけなきゃいけない状況だったので心臓はバクバク。

“もう、今が最後”

そう思って、今までに振り絞ったことのないほどの勇気を出したと自分で思う。周りの人に見られながら、とにかくこの場から早く立ち去りたいと、急いで写真を撮ってもらった。

その光景が今日一日、頭の中でぼや〜っと浮かんでいた。
この歳になって思い返すと恥ずかしい思い出だけど、あの頃の自分の中にあった大きな勇気に、今とても驚かされる。

「ちゃんと青春してたなぁ〜。」
初々しい思い出に浸った、ポカポカ陽気な卒業式日和の今日。

ライター
首里石鹸 玉城悠以奈

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