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首里散歩 Vol.192 思い出を乗せたもの 2023年4月8日

最近、長い付き合いだった物と離れることになった。
それは、初めて買った車。
古くなってきたので、次の車検の前に乗り換えることにした。

20代前半の頃に購入し、10年近くは乗っただろうか。
人生で初めての大きな買い物でもあった。

運転が怖かったわたしは、「とにかく小回りがきいて小さく運転しやすいもの!」で選び、
車種など特にこだわりは無かった。

通勤はもちろん、近場でも遠出でも必ず車で移動する車社会の沖縄。
なので、車の存在がこの10年近くの思い出の中に溶け込んでいる。

友人をひとりひとり迎えに行き、あてもなく、とりあえずで進むドライブ。
目的地を決め、遠足気分で遠出する道のり。
好きな音楽を流しながら、お気に入りの場所に停めて、ひとりだけで過ごす車の中。

ここには書ききれないほどのたくさんの思い出が、頭の中を駆け巡る。

車を乗り換えると決めてから、急にものすごく寂しく感じ、これほど愛着があったのかと自覚する。

もうしばらくは乗れるだろうと思っていたら、予定外の日に代車に換わることになり、荷物の移動をそそくさと行うと「これでOKです!」と、あっさりとお別れしてしまった。

代車に乗った帰り道、あまりの急なお別れにショボンとしたものの、思い出に浸っていた自分と、それに対しての最後のあっさりさに少し笑ってしまった。

たくさんの思い出と、いろんな感情を乗せて走っていた相棒のような車。
長い間、ありがとね。

ライター
首里石鹸 玉城悠以奈