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首里散歩 Vol.199 特別な母の日 2023年5月18日 

毎年、この時期の楽しみがある。
「母の日」に母へプレゼントを贈ることだ。

今年は出産後はじめての母の日なので、例年より特別なものを贈ろうと決めていた。子を生んだことで「母親」という業がどれほどのものか少しだけ分かったからだ。

買う場所はすぐに決まった。以前母が沖縄に来たとき何度も足を運んだけど閉まっていた張り子の店。あそこに行こう。

店は案の定、行くたびに閉まっていて、やっとシャッターが開いてると思ったら「お昼ごはんを食べてきます」という張り紙が貼られており、2時間待った。

「いよいよ開かなかったら、この待ち時間についてつらつらと手紙に綴ろう。それをプレゼントしよう」と恐ろしい考えが浮かんだ頃にガラリ、とお店の扉が開いた。

選ぶのは簡単だった。母親の好きなものはなんとなくわかるし、もはやこの店に私が来たということだけで喜んでくれるだろう。すぐに選び、郵送した。

母の日当日、母から喜びのLINEが届いた。

めっちゃ喜んでる!よかった!
ほっとしたと同時に、なんだか少ししんみりした。もう私は母から与えてもらうステージは終わったんだなぁ。これからは自分が経験する苦労や大変さを、母への感謝に変換していくステージだ。

そんなことを思っていたら、出かけていた夫と息子が帰ってきた。しんみりしているのを悟られないよう、本を読むふりをした。

するとふたりが私の真後ろにきた気配がした。振り返ると、目の前に3本のカーネーションとカラフルなメロンパンが突き出された。

「いつもありがとう」

私あての、母の日プレゼントだった。

びっくりした。自分が母の日に”もらう側”だという意識がまったくなかったのだ。息子からまだ「ママ」って呼ばれてないし…。

だけどカーネーションに添えられたカラフルなメロンパンは、息子が選んだと夫は言う。おおかたデパートのパンイベントで、色が鮮やかだったから息子が手を伸ばしたのだろう。それを息子が選んだことにしてくれた夫のやさしさが嬉しかった。

夜、飾ったカーネーションを眺めながら「はじめてだからか、ベタがいちばん嬉しいね」と夫に言うと「カーネーションって、色によって花言葉が違うらしいよ」と返ってきた。 「へー、なんて花言葉?」と聞くと夫は「自分で調べて」と言い、どこかに行ってしまった。

調べてみると、赤は「母への愛」、ピンクは「感謝」、ブルーは「永遠の幸福」だった。一番きれいだと思ったブルーのカーネーションが、花言葉もダントツで素敵だ。

やるやん、と思い、それからは毎日カーネーションを見るたびにご機嫌になっている。もう一週間くらい経つけれど、なぜかぜんぜん枯れないのだ。


ライター
三好優実