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首里散歩 Vol.243 心で感じた景色

沖縄では、旧暦の12月8日に『ムーチー』という月桃の葉に包んだお餅を食べる風習があって、それが今年は、1月18日だった。

「ムーチーの前後にグッと急に冷え込むよ〜」と言い伝えを聞いて何年も過ごしてきたので、スーパーで餅粉やムーチーが並ぶと、「そろそろ来るかも」と身が引き締まる。

だけど珍しく、18日は朝から頭上に雲一つない空だった。朝から歩いて出かけると空気の爽やかさで、とても気持ちよかった。

涼しい風に「一枚多く着てくればよかったかな?」と思ったけれど、陽の当たる歩道を選んで歩くと、ジワジワ・・・ジリジリ・・・段々と増す暖かさ。

いつもより薄着なのに、それがちょうどよくて、気持ちも心地よくおさまった!

今年は、「ムーチ-ビーサ」(ムーチーの前後に冷え込むこと)は来るのかしら?

空を見上げながら、吸い込まれるようにそんなことを考えていたら、少し首が痛くなった。

そういえば最近、外でぽかっと一人の時間ができて、なんだか何もなくても楽しくて、いつまででもいられるなぁと嬉しくなった。

人の手があまり入っていない自然を受け止めて眺めていると、私も景色の一部になったように、鳥も猫もいつも通りの動きで、気に留めずに近寄ってくる。

近くにいた釣り人が、「猫、好きなの?」と話しかけてきた。

なんの共通項もないけれど、釣りの魅力や、今日の川のコンディションや、「釣りやったらいいのに」と、よく釣れる時期や魚の種類などを、親切に教えてくれる。

浮き釣り待ちで、ゆったりと構えているその方も、景色の一部のような気がしてきて、暮れゆく陽を心で感じながら、深呼吸をたくさんして、緩やかな時間を楽しんだ。

一日にありがとうの気持ちを持って、暮れていく空を眺める。

暗がりの中で、来た時の何十倍もリフレッシュした私を見て、釣りから戻ってきた息子達が少し驚いていた。

あれからしばらく、心で感じたいくつもの景色が、ずっと元気をくれている。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子