妹が就職した。
15歳くらい歳の離れた妹は、娘のようにかわいく、親戚の子どもくらい遠い存在だ。わたしは姉というほど彼女のことをわかっておらず、好みのものがわからない。ならばせめて、就職祝いに“いいもの”を贈りたいと思った。
いいものといえば、やちむん。
沖縄の職人さんによる手仕事は、きっとこれから妹が手掛けるであろう”いい仕事”の一助になるはずだと信じ、素敵な色合いのやちむんを贈った。
一言だけ手紙を添えようと、「がんばってね」と書こうか「無理は禁物」と書こうか迷い、結局どちらもやめた。どちらもわたしが口をはさむことではない気がしたのだ。がんばりたければがんばるだろうし、無理したければしたっていい、辛いなら辞めたっていい。自分の人生なのだから。
いろいろ迷って「これから起こる楽しいことも悲しいことも、すべて最後は(妹)ちゃんの幸せに繋がりますように」と書いた。どんな出来事も報われてほしいと願うのは、なんだかとても身内っぽい気がした。
自分用に買ったシークヮーサーの置物が、光を含んできらきらとひかっている。
ふと、フレッシュできらきらしているこの置物こそ、妹に贈るべきだったかもしれないと思い、すぐにそんなことはないと思いなおす。妹はこんなものを貰わなくても、フレッシュできらきらしているのだ。
わたしこそが妹とこの置物のきらきらを見つめて、意気込むべきなのである。
ライター
三好優実