“思い出をすべて記憶に残したい。”
そんなふうに思ったのは、最近、子育てが落ち着いた友人と久しぶりに会い、話しをしたとき。
友人が「あれ覚えてるー？あのとき楽しかったよね！」と、そのとき言われなければ、わたしは絶対に思い出せないであろう話が出てきた。

高校時代、放課後の美術室の裏、当時流行っていた曲を携帯で流しながら、他愛もない会話をしていたこと。そこに、「何してるのー？」と美人で可愛いくて、高校生のわたしたちからしたら憧れの女性そのものだった美術の先生も加わり、女子トークをしたこと。
友人と話しているとだんだん鮮明に思い出し、そのころの楽しかった感情がよみがえる。
だけど、自分では思い出せない記憶があることに寂しさも感じ、「楽しい思い出がすべて頭のなかに記憶されていたらなぁ。」と、少しセンチメンタルな気分に。

もちろん、わたしが覚えていて、友人が覚えていない思い出もある。
でも、思い出を共有して、「当時の空気感や感情が呼び起こされることが楽しい」と友人と笑いあっているときに気付いた。
そうなると、友人と次に会うのがどんどん楽しみになる。

ある出来事を思い出した瞬間の懐かしさ。
「懐かしいね」と言いながらも、まるで昨日の事かのように感じる不思議な感覚。
友人と、互いの記憶の隙間を埋めていく時間がわたしには大切で、そんな友人がいることが幸せだと感じた一日。

ライター
首里石鹸　玉城悠以奈

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