飛行機に乗らずに行ける、お気に入りの沖縄が、ここ関東にもある。

有楽町の首里石鹸ギャラリーショップから程近くのこのお店は、沖縄産のフレッシュな野菜や果物、ご当地パン、冷凍食品や〝やちむん〟〝沖縄三線〟まで…店内では沖縄民謡が流れたくさんのお土産達が一堂に顔を揃え出迎えてくれる。


沖縄フードが恋しくなる時はもちろん、次の沖縄旅行が決まっているとき気持ちをさらに盛り上げてくれる〝予習〟として。また、『予習のあとは復習しないとね』と、旅を終えて感動の続きを味わいに。
理由をつけては、つい足を運んでしまう、そんな場所なのだ。
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お買い物の前に、まずイートインスペースに直行するのがいつものお決まり。この日は、季節限定の生しぼりジュースを注文した。
目鼻立ちがはっきりとしている店員さん。ここで働いてるからきっと沖縄の人だよねと思ってしまうマジックにかかりながら、『今朝の絞りたてでーす!』と元気に手渡してくれたたタンカンのジュースをいただく。
沖縄の本土が丁寧に描かれた壁を眺めながらひとくち飲むと、果実の甘みと酸味が同時に喉に沁み渡り、爽やかな香りがその場所へ連れて行ってくれた。

赤瓦の屋根の下に並んだもずくの天ぷらは、店内でさっき揚げたての様子。
『そういえば東京ではもずくの天ぷらって滅多に見かけないし、実は一度も食べたことがなかったなぁ、家で作るとき、もずくって揚げてもバラバラにならないのかなぁ。』
『こんなこと言ってるようでは、主婦はベテランなのに沖縄の人に笑われてしまう!』
などと思いつつ、実際に家で作る気はなくて。
『今日は晩酌用に、前回の旅の思い出話しをしながら夫と一緒に食べようかな!』と2つ買って帰ることにした。

店内のあちこちには、『あ!これ久しぶり!!』と懐かしいパッケージ。なぜかここでは少しだけよそ行きの顔をして整列しているようにも見えるが、沖縄に訪れた回数の分だけ、知っているものが増えていくことは嬉しい瞬間だ。
おなじみのお土産を手に取ると、あの旅の思い出も一緒に蘇ってきて、せっかくここで満足して帰るつもりだったのに”沖縄行きたい熱”がさらに高まってしまうのが厄介だ。
ひと通り満喫して、予定外に重たくなってしまったレジ袋を手に店を出ると、入り口に、正面じゃなくそっぽを向いたシーサーがいた。
よく見ると台車に乗っかっていて‥どうやら守り神のお仕事はお休み中らしい。

スペースの狭いここ東京のド真ん中では、こんなこともよくあるよね‥
沖縄の言葉で『また来るね〜』ってなんて言うんだっけ?休憩中のシーサーにご挨拶しながら、次の沖縄旅は何を食べようか、どんな体験をしようか、想いを膨らませながら家路に向かう。
電車の窓から見える景色の奥に、沖縄の景色を映しながら。
ライター
まちこ