ずっとやりたいと思っているのに、後回しにしていることが山ほどある。
その中でもかなりハードルが低いものをどうして今すぐやらないんだ、と急に思い立ち、7月の3連休で渡名喜島に行くことにした。

渡名喜といえば「なにもない島」。
もちろん美しい海や、木漏れ日が降り注ぐフクギ並木、夜になると足元を照らすフットライトなど、他にはない魅力は山ほどある。だけどきれいさっぱり「便利」がないのである。
子どもに「便利じゃない暮らし」を体験させたい。少々嫌がったとしても、大切な経験になるはず。そんな下心もあって、2泊3日、友だち親子と4人で渡名喜に渡った。

島に着いた瞬間から、子どもたちはとにかく、走る。走る。走る。
走ることのなにがそんなに楽しいのか大人にはさっぱり分からないが、とにかく走りまわっていた。

こんなに目的もなくよく走れるものだなと感心したけれど、いざ目的地ができて「こっちに行くよ」と示すと、途端に「抱っこ」がはじまった。(なんでやねん)
が、目的地(海)についた瞬間、子どもたちはまた走った。

そして海で水遊びを楽しんだり、浮き輪で浮いたりした。
そう、4時間も。

4時間遊泳したのは人生で初めてである。4時間って!
子どもたちは相当楽しいようで、なかなか上がろうとしない。最終的には、必殺「アイス買ってあげる」でやっと海から解放された。
が、アイスを買おうと商店に行くと閉まってる。もうひとつの商店に行くもアイスは売り切れており、結局その日はアイスを手に入れることができなかった。(島に商店はふたつしかない)
子どもたち、泣くかな?と思ったが、思いのほかあっさりジュースで納得してくれた。なければないで諦めがつくのかもしれない。欲しいものが手に入らなくても、水遊びができて、自由に走ることが許される道があって、一緒に遊べる子どもがいればいいのかもしれない。
その後も子どもたちはずっと機嫌よく、集落を走り回ったり、虫や石ころに興味を示したり、歌ったり踊ったりジャンプしたり、一日中楽しそうに遊んでいた。



翌日も子どもたちはひたすら海に行きたがり、結局ほとんどの時間を海で過ごした。

渡名喜旅は、海と集落走りに付き合っていたらあっという間に終わった。息子はほとんどお昼寝をせず、夜も遅くまで起きて大いに島を満喫したが、那覇についた瞬間電池が切れたように深く眠った。
元気いっぱいの子ども連れの旅は、大人たちにゆったりとした「島時間」を1秒たりとも与えなかったが、楽しそうでなにより。小さい子連れらしい、明るくてたのしくて、しっかり疲れるいい時間だった。

さて、島から帰ってからもう2週間がたつが、困ったことに3日に1度くらいのペースでふわりと「渡名喜に住みたいなぁ」という気持ちが湧いてくる。ついに昨日は夢にまで出てきた。沖縄に行きたい衝動を「沖縄病」というらしいが、どうやら渡名喜病にかかったようだ。わたしは沖縄病にかかって半年後に沖縄に住みはじめたが、今は家族がいるので冷静にならなければいけない。
ライター
三好優実