先日、とある用事の後、母と息子とドライブしていた時、次々と現れる、気になるシーサーに我慢ができなくなり、「ちょっと、降りて見てみる?」と誘ってみました。
暑いのが苦手な二人が、意外にも好意的に、車を降り立ち、真夏の散歩が始まりました!
少し懐かしい雰囲気の建物でチケットを買い、池の奥にあるのは、戦前の沖縄の住宅建築の特色をすべて備えている、中村家住宅という、国指定重要文化財でした。
大好きな城跡で目にしたような琉球石灰岩の石垣に囲まれた、迷路のような道を先に進むと、幼い頃の田舎を思い出すような、懐かしい家屋が広がっていました。
部屋の木造りの格子の向こうに、豊かな自然が彩りを見せていて、自然を愛でて、自然を交わしながら、豊かに過ごしていた、当時の家人たちの生活の中に、入り込んだような気持ちになりました。
激しい戦闘のあった沖縄で、このように屋敷全てが残っているのは、とても貴重だということでしたが、とても豊かな生活の空気が伝わってくる家の中で、小さい頃、家にあったような時計や釜や机などと共に、沖縄らしい文化が一緒に存在していることに、とても親しみと喜びが湧き上がりました。
建物の中は、風が通り、温度がかなり涼しく感じ、母が子どもに戻ったように、軒に座り、「いつまででもいられる」と、帰ろうとなかなか言い出せないほど、緩やかな時間を過ごしました。
ライター
首里石鹸 白鳥恵子