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首里散歩 Vol.178 特別な初詣 2023年1月3日

今年の初詣は特別だった。
なんといっても去年生まれた我が子が今年、1歳になろうとしているのだ。

この子が今こうして息をしているのは、私や夫ががんばって育児をしたからだけじゃなく、神様のおかげだと真剣に思う。だからどうしても神様に、新年のはじめにお礼を言わなければいけないと思っていた。

お願い事じゃなく、ありがとうを言いたい初詣ははじめてだ。

神社は長蛇の列。
だけど今年ばかりは列に並んでいるあいだ中、子の存在を見つめるいい時間だった。あらためて今、自分の腕の中でニコニコしている子が、去年の今ごろは私の臓器付近でまるまっていたのだと思うと不思議だ。

不思議がっているあいだに順番はやってきて、あらためて神様の前に立つ。

こんなにかわいい命を授けてくださりありがとうございます。大切に育てます。

そんなことを心の中で唱え、丁寧にお辞儀をしたあと、子を見るとすごく不機嫌でわらってしまった。なにを長々とお願いしてんだよ、とでも言いたげだ。

おみくじは大吉。神様を信じろということが書かれており、今年が人生で一番信じてますと心の中で返事をした。

お守りを買い、チーズドックを食べたあと、隣接する波の上ビーチへ足を運ぶ。初詣に行ったその足でビーチに行けるのは沖縄の特権だ。私はこの感じがたまらなく好きで、そのために毎年、初詣は波の上宮と決めている。

冬とは思えないほど青く澄んだ海と、ざざん…と小さく響く波の音。はしゃいだり海を眺めたり、今にも飛び込みそうだったりと、さっきまで参拝していたであろう人々がそれぞれに目の前の美しさを楽しんでいる。

沖縄に住んで、本当によかったなぁ。

しみじみと思った。
酔っ払いながら海を見て「いや~、いいわ~」と言っていた頃の私も割と真剣に「いい」と思ってはいたが、この日ばかりは今まででいちばん「いい」と思った。私、沖縄が大好きだなぁ。

帰り道、スーパーに寄り「今日はお弁当でいっか」と弁当を買い、帰宅する。そんな日常が当たり前に過ごせる幸せも、いろんな偶然が重なった結果なのだ。そう思うとやっぱり神様にありがとうを言いたくなり、買ったお守りを取り出して、かるく握りしめた。

ライター
三好優実

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