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晴れ時々、首里 Vol.1 ガジュマル

包み込むような安心感

ぽつ、ぽつぽつ…、小雨が降りだしたかと思うと、とたんにザーッと大雨が襲ってきた。沖縄ではよくある通り雨だ。慌てて木陰に入り、服についた雫をはらう。
どっしりとしたカラダを支えるように幹を作り、ぷっくりと肉厚の葉。
頼もしい風貌のガジュマルが包み込むように雨から私を守ってくれる。
降り止むのを待ちながら、心の中で「ありがとうね」と声をかける。
しばらくすると雨が弱まってきたので
さぁ、また降らないうちにと目的地へ歩き出す。
振り返ると、ガジュマルから垂れたヒゲがゆらゆらと手を振っているように見えた。

ガジュマルと遊んだ思い出

私が通っていた小学校には、デイゴやガジュマル、琉球松など沖縄特有の木が植えられていて、その中でもガジュマルが一番登りやすかった。
幹が複雑な絡み方をしていて『ココに手をかけて、ココに足を置いて』とインスピレーションが湧いてくる。
夢中で登り、枝分かれする前の安定した場所でひとやすみ。
きらきらとした暖かい木漏れ日と、優しく吹き通る風が気持ちよくて、この空間を持って帰りたいと思った。
成長し、いつしか登りたい好奇心もなくなってしまったけれど、幼かったあの頃の記憶はきれいなまま残っている。

自分だけのガジュマル

ガジュマルの生命力はとても強く、木の根はコンクリートを突き破ったり、
その強い力で他の木に巻き付き、成長することもある。
そんな神秘的で迫力のあるガジュマル。
実は、世界に約800種、日本には約20種類もあるらしい。
ガジュマルの魅力にひかれた私は「ニンジンガジュマル」という手のひらサイズのガジュマルを飼い始めた。
小さいけれど、太い幹と生き生きとした葉からちゃんと木の生命力を感じる。
今も昔も、私はガジュマルに癒されている。

首里石鹸 田中 里歩

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香りで特別な時間を体感頂けたら嬉しいです。
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