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首里散歩 Vol.167 タイムカプセル 2022年12月1日

あっという間に12月に差し掛かり、世間の忙しくなる空気に反して、やっと自分らしさを再確認できる余裕が生まれてきたように感じます。

昔の写真を見て、その時の空気を思い出したり、時間に追われることなく、気になる情報を調べたり、これまで疎かった天体や自然に関する雑学を蓄えては、にんまりと自己満足に浸る、そんな穏やかな感覚です。

亡くなった父の手続きも目処がつき、父の部屋も、残った私たちが楽しめる書籍や思い出の品の博物館のように、整理が進んでいます。

とにかくプラス思考でなんでも良く取っていた父は、戦時中に満州にいた時や何度かの海外赴任での慣れない環境での体験も、学びの一つとして嬉しそうに語っていたのですが、本棚には、イスラムや華僑の異文化に関する書籍や、心理学系の本から、パソコン、趣味のクラシックや占星術などが並び、実にバラエティ豊かです!興味を持ったことの詳しい本が見つかることもあり、様々なきっかけでマイブームを見つけては徹底的にハマっていた父と会話するように、家族それぞれが活用しています。

その中から、父が中2の時にひまわりの観察日記が県で表彰された冊子が出てきて、レトロ感溢れる色彩とデザイン、手描きのイラストが、懐かしい魅力に溢れていました!

実際の原稿も添えられていて、中学生の父の探究心や工夫も眩しく感じて、晩年になっても繰り返し話していた理由が、やっとわかったような気がしました。

他にも、娘たちからの手紙やイラスト、学生時代の送辞や銀行時代の表彰状など、父の宝物を集めたファイルだったようで、最後に、ライムライトのパンフレットも入っていました。
年老いた道化師と傷ついた若いバレリーナの心の交流が描かれた、チャップリンの晩年の代表作ですが、命が尽きてしまう道化師と、晩年の父を重ねながら、感想を聞いてみたかったなと思いました。

まるでタイムカプセルを開くように次々と見つかるものから、父の楽しんでいた事柄や父らしさを感じ、自分たちのルーツも感じながら、楽しんでいます。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子

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