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首里散歩 Vol.223 沖縄なりの秋

「秋がきた」

外に出た瞬間、ポロリと口から出た自分の言葉に驚いた。

沖縄には秋がない、と言われている。
そしてわたしも「沖縄には秋がない」とずっと思い、ずっと言ってきた。

その日も相変わらず気温は30度くらいあり、いつものように半袖を着ていた。だけどわたしは肌に間違いなく「秋」を感じたのだった。

ほんのり空気が乾燥していて、風がすこしだけパサパサしている。そんな空気の肌触りに、秋がきた、と思ったのである。

そうか、沖縄にも秋があったのか。
和風ではない、なにか別の感性がとらえる秋。そういうものが沖縄にはきっと、あるのだ。わたしは移住9年目にして、その感性を獲得したのかもしれない。

そんなことを思い、ニヤニヤした翌日、外に出てみると空はカラッと晴れていて、セミが元気よく鳴いていた。

あれ?ぜんぜん夏じゃん。

ビカビカと照り付ける日差しに湿った空気。
肌にはじわりと汗が滲む。

呆然と佇むわたしに、太陽は容赦なく光をまき散らす。日差しが恐ろしいほどまぶしい。

一気に消耗したわたしは家に引き返し、日焼け止めをガンガンに塗りたくり、帽子をかぶって外に出た。

それ以降、わたしはまだ「秋」を感じていない。

ライター
三好優実